1-C-3-3 両側にみられた滑膜性骨軟骨腫症の1例と当科における治療成績
滑膜性骨軟骨腫症は滑膜内に異所性に軟骨が発生し, 血行支配を受け骨軟骨腫瘤になり滑膜からもぎとられて滑液内に遊離する. 放置すると変形性関節症に移行し, 炎症や外傷による滑膜への持続的刺激による軟骨の化生が原因と考えられている. 好発部位は膝, 股, 肘関節であり, 顎関節に発生することはきわめてまれである. 今回われわれは, 両側顎関節に発生した骨軟骨腫症を経験したので, 当科での治療成績を含め報告する. 患者は61歳女性で, 右側顎関節の疼痛を主訴に平成14年10月27日当科を初診された. 現病歴として初診の約3週間前に右側顎関節に疼痛が出現し, 放置するも改善しないため近歯科を受診し,...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.96-96 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 滑膜性骨軟骨腫症は滑膜内に異所性に軟骨が発生し, 血行支配を受け骨軟骨腫瘤になり滑膜からもぎとられて滑液内に遊離する. 放置すると変形性関節症に移行し, 炎症や外傷による滑膜への持続的刺激による軟骨の化生が原因と考えられている. 好発部位は膝, 股, 肘関節であり, 顎関節に発生することはきわめてまれである. 今回われわれは, 両側顎関節に発生した骨軟骨腫症を経験したので, 当科での治療成績を含め報告する. 患者は61歳女性で, 右側顎関節の疼痛を主訴に平成14年10月27日当科を初診された. 現病歴として初診の約3週間前に右側顎関節に疼痛が出現し, 放置するも改善しないため近歯科を受診し, 当科での精査を勧められた. 単純レントゲン写真にて両側顎関節に不透過像を認めたため, CTおよびMRIを撮影したところ, 両側顎関節腔にloose body が認められた. 滑膜性骨軟骨腫症の, 診断の下, 平成15年2月5日全身麻酔下に腫瘤の摘出術を施行した. 右側は上関節腔に石灰化物を1つ, 左側は顎関節円板前後部結合組織中に石灰化物を認め, 摘出物の病理組織学的診断は滑膜性骨軟骨腫症であった. 術後自発痛, 開口障害, 咬合異常はみられず, また再発もなく経過良好である. |
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ISSN: | 0029-0297 |