2-A-1-3 局所進展口腔扁平上皮癌に対する治療法の検討
1999年1月~2003年10月に当科を受診したT3-T4の上顎洞を含む口腔扁平上皮癌一次症例37例の治療法と予後についてretrospectiveに検討した. 男性22例, 女性15例, 平均年齢は64.6歳で, 原発部位は下顎歯肉13例, 舌10例, 頬粘膜6例, 口底3例, その他5例であった. 治療法は手術群32例, 非手術群が5例であった. 手術群では手術法として腫瘍切除に加えて全例で頸部廓清を行い, 全例で即時再建術を施行した. 術前照射は行わず, 術前化療が14例に, 術後照射が5例に, 術後化療が2例に施行された. その結果, 累積生存率は1年:80%, 3年:67%, 部位別...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2005, Vol.54 (1), p.80-81 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1999年1月~2003年10月に当科を受診したT3-T4の上顎洞を含む口腔扁平上皮癌一次症例37例の治療法と予後についてretrospectiveに検討した. 男性22例, 女性15例, 平均年齢は64.6歳で, 原発部位は下顎歯肉13例, 舌10例, 頬粘膜6例, 口底3例, その他5例であった. 治療法は手術群32例, 非手術群が5例であった. 手術群では手術法として腫瘍切除に加えて全例で頸部廓清を行い, 全例で即時再建術を施行した. 術前照射は行わず, 術前化療が14例に, 術後照射が5例に, 術後化療が2例に施行された. その結果, 累積生存率は1年:80%, 3年:67%, 部位別では, 下顎歯肉:81%, 舌:65%であった. 局所再発は5/32例, うち3例は局所再発に対して救済手術により原発巣制御可能であったが, 結果4/5例は原病死した. 頸部手術は32例中, 8例に副咽頭腔を含めた切除施行したが, 頸部再発は4例に認められた. 検討期間中の約1年半は多施設共同研究のために全例, CDDP+5FU+TXT及びPEPを用いた術前化療を14例に施行した. 化療の有無により予後を比較すると, 術前化療群では無病生存は7/14例のみであり, 術前化療をしていない16/18例は予後良好であった. また, 同時期に手術施行したT1-T2群と予後を比較した場合, 原発巣非制御は約2倍, 頸部非制御は約3倍, 遠隔転移死は約7倍と多く認められた. 非手術群で手術を行わなかった理由は, 手術適応外2例(遠隔転移1例, 頭蓋内浸潤1例), 手術拒否3例(超高齢1例)で, 治療法は照射1例, 照射+化療3例であった. 非治療群では1年累積生存率が20%, 3年:0%であった. 経過観察期間は短いが, 根治手術が可能である場合は, 進展口腔癌においても手術主体により良好な結果が認められたが, 更なる予後向上のためには, 転移の制御が重要であると思われた. 一方で, 術前化学療法の効果は明らかではなかった. |
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ISSN: | 0029-0297 |