6.顔面非対称症例に対して下顎骨形成術を施行した2例

一般に顔面非対称症例に対しては, 矯正治療と併せて下顎枝矢状分割術や下顎枝垂直骨切り術などが行われることが多い. しかしながら患者が審美的要因の改善のみを希望し, 簡便な治療法の選択を迫られることがある. 今回われわれは線維性骨異形成症ならびに片側下顎頭肥大によると思われる顔面非対称症例に対して下顎骨形成術を施行した2例を経験したので, その概要を報告する. 症例1:14歳, 男性. 2001年8月中旬に右側顎下部の腫脹および右側臼歯部の骨膨隆を主訴に当科を受診した. 生検により線維性骨異形成症の診断を得たため, 下顎骨の成長を待って治療を施行する方針にて, 外来にて経過観察を行っていた. そ...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (4), p.174-174
Hauptverfasser: 吉村友秀, 新谷悟, 寺門永顕, 住田知樹, 日野聡史, 中原裕二, 三原真理子, 矢野淳也, 村瀬隆一, 浜川裕之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:一般に顔面非対称症例に対しては, 矯正治療と併せて下顎枝矢状分割術や下顎枝垂直骨切り術などが行われることが多い. しかしながら患者が審美的要因の改善のみを希望し, 簡便な治療法の選択を迫られることがある. 今回われわれは線維性骨異形成症ならびに片側下顎頭肥大によると思われる顔面非対称症例に対して下顎骨形成術を施行した2例を経験したので, その概要を報告する. 症例1:14歳, 男性. 2001年8月中旬に右側顎下部の腫脹および右側臼歯部の骨膨隆を主訴に当科を受診した. 生検により線維性骨異形成症の診断を得たため, 下顎骨の成長を待って治療を施行する方針にて, 外来にて経過観察を行っていた. その後, 右側下顎角部から頬部への膨隆感が増大し, 本人が顔貌の改善を強く希望したため, 2003年7月31日, 対側の下顎骨形態を参考とし, 下顎骨形成術を施行した. 症例2:38歳, 男性. 2003年2月初旬に下顎骨の左右非対称の精査ならびに加療を希望して当科を受診した. 初診時, 咬合平面の左下がりと左側下顎頭肥大による左側下顎下縁の下方への膨隆感を認めた. 患者が矯正治療等は希望せず, 審美的要因の改善のみを希望したため, 2003年8月21日, Bellの方法に準じた下顎下縁切除術を施行した. これらの症例では術前の3D-CTのデータを元に光硬化樹脂模型を作成した. 本模型は下歯槽管の位置の確認, 骨削除範囲の決定に有用であった.
ISSN:0029-0297