1.口腔扁平上皮癌の治療後に異なる組織型の腫瘍を生じた症例の検討

口腔扁平上皮癌の一次治療後に, 異なる組織型を呈する腫瘍が生じた場合, それが, 再発であるのか, 新たに発生した腫瘍であるのか, あるいは放射線誘発性癌であるのかの検討が必要である. 今回, 初回治療時の組織像は扁平上皮癌であったが, 治療後に発生した腫瘍は異なる組職型を呈した4例を検討し, 報告した. 本4症例中の3例は, 患側の切除部断端近くに発生していたが, 1例は患側とは反対側の発生例で, 初発時は多発癌を呈した例だった. 組織型をみると, 4例中2例は紡錘細胞癌で, 1例は悪性黒色腫, 1例は線維肉腫であった. 治療法では, 3例は手術+放射線+化学療法の3者併用であり, 手術+放...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (4), p.173-173
Hauptverfasser: 石岡康希, 太田耕司, 名和明子, 井上伸吾, 杉山勝, 石川武憲, 原田直, 佐藤淳, 小川郁子
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔扁平上皮癌の一次治療後に, 異なる組織型を呈する腫瘍が生じた場合, それが, 再発であるのか, 新たに発生した腫瘍であるのか, あるいは放射線誘発性癌であるのかの検討が必要である. 今回, 初回治療時の組織像は扁平上皮癌であったが, 治療後に発生した腫瘍は異なる組職型を呈した4例を検討し, 報告した. 本4症例中の3例は, 患側の切除部断端近くに発生していたが, 1例は患側とは反対側の発生例で, 初発時は多発癌を呈した例だった. 組織型をみると, 4例中2例は紡錘細胞癌で, 1例は悪性黒色腫, 1例は線維肉腫であった. 治療法では, 3例は手術+放射線+化学療法の3者併用であり, 手術+放射線併用療法が1例であり, これらはいずれも放射線療法を行っていた. 初発時から腫瘍発生までの期間をみると, 10年以上の長期経過したものが4例中1例, 5年未満で発生した腫瘍は3例であり, 喫煙歴は4人中の3人にみられた.
ISSN:0029-0297