21.上顎洞血瘤腫の1例
上顎洞血瘤腫は比較的まれな疾患で, 画像診断上骨破壊像を示すことがあり悪性腫瘍との鑑別が困難であるとされている. また, その疾患名は臨床上の名称であり病理組織学的には血管腫や壊死組織が多いとされている. 今回, われわれは悪性腫瘍を疑った上顎洞血瘤腫の1例を経験したので報告する. 症例 患者:64歳, 女性. 初診:2003年4月15日. 主訴:右頬部腫脹. 現病歴:2002年9月頃より右頬部腫脹にて近耳鼻咽喉科にて投薬加療を受けるも症状は軽快せず. 2003年3月下旬, 他の耳鼻咽喉科を受診し, 歯が原因ではないかと近歯科医院を紹介され, 同年4月5日受診. 同年4月15日同歯科医院より精...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (3), p.142-142 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 上顎洞血瘤腫は比較的まれな疾患で, 画像診断上骨破壊像を示すことがあり悪性腫瘍との鑑別が困難であるとされている. また, その疾患名は臨床上の名称であり病理組織学的には血管腫や壊死組織が多いとされている. 今回, われわれは悪性腫瘍を疑った上顎洞血瘤腫の1例を経験したので報告する. 症例 患者:64歳, 女性. 初診:2003年4月15日. 主訴:右頬部腫脹. 現病歴:2002年9月頃より右頬部腫脹にて近耳鼻咽喉科にて投薬加療を受けるも症状は軽快せず. 2003年3月下旬, 他の耳鼻咽喉科を受診し, 歯が原因ではないかと近歯科医院を紹介され, 同年4月5日受診. 同年4月15日同歯科医院より精査, 加療目的に当科を紹介され来院した. 既往歴:高血圧症, 糖尿病, 高脂血症, 脳梗塞後遺症 家族歴:特記事項なし. 現症:右頬部に軽度のび慢性腫脹を認めた. 右頬側歯肉(7-4|)に表面粘膜正常の弾性軟の腫瘤を認めた. パノラマX線写真にて7-3|に上顎洞底および歯槽骨の吸収を伴う透過像が認められた. CTでは右上顎洞内に骨破壊を伴う腫瘍性病変が認められ, その内部には石灰化像が認められた. MRIではT2強調像にて高信号で綿花状に描出される腫瘍性病変が認められた. 処置および経過:2003年4月24日上顎洞悪性腫瘍を疑い生検を行ったところ, 血管腫の疑いとの病理組織学的診断を得た. 同年6月9日入院. 術中の大量出血を考え, 6月10日自己血400m1の採血を行った. また, 術中出血の減量を目的に6月16日血管塞栓術を行った. 6月17日全身麻酔下に右上顎腫瘍摘出術を行った. 腫瘍は暗赤色で一部黄色の実質性であり, 上顎洞粘膜との癒着はなく剥離は容易であった. 病理組織学的診断:海綿状血管腫 |
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ISSN: | 0029-0297 |