9.乳児に発生した中心性巨細胞肉芽腫の1例

乳児の下顎前歯部に発生した, 中心性巨細胞肉芽腫の1例を報告した. 患者は11か月女児で, 出生ならびに発育に異常はなかった. 下顎前歯部からの出血を主訴に救急来科した. 2週間前に下顎を打撲した可能性があり, 来院時に右下乳中切歯の著明な動揺を認めたが, 歯肉出血は認めなかった. その後, 同部より再度出血を認め, 近歯科にて右下乳中切歯の抜歯と縫合処置をうけたが, 繰り返す出血を認めた. 下顎前歯部の骨膨隆は認めなかったが, エックス線写真で下顎左右乳臼歯にわたる多房性の透過像を認めたので, 全麻下に同部の生検を兼ねた掻爬術を施行した. 同部には易出血性の肉芽組織を認め, 歯冠形成中の下顎...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (3), p.127-127
Hauptverfasser: 神谷洋子, 栃原しほみ, 野上喜史, 佐藤徹, 浅田洸一, 石橋克禮
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳児の下顎前歯部に発生した, 中心性巨細胞肉芽腫の1例を報告した. 患者は11か月女児で, 出生ならびに発育に異常はなかった. 下顎前歯部からの出血を主訴に救急来科した. 2週間前に下顎を打撲した可能性があり, 来院時に右下乳中切歯の著明な動揺を認めたが, 歯肉出血は認めなかった. その後, 同部より再度出血を認め, 近歯科にて右下乳中切歯の抜歯と縫合処置をうけたが, 繰り返す出血を認めた. 下顎前歯部の骨膨隆は認めなかったが, エックス線写真で下顎左右乳臼歯にわたる多房性の透過像を認めたので, 全麻下に同部の生検を兼ねた掻爬術を施行した. 同部には易出血性の肉芽組織を認め, 歯冠形成中の下顎中切歯とともに除去し, 開放創とした. 術後出血を認めず, 11か月現在, 欠損部修復し経過良好である. 病理組織像では破骨細胞に類似する多核巨細胞と組織球様細胞の増殖を認めたことから, 巨細胞肉芽腫と診断された.
ISSN:0029-0297