B-20.肋骨付き広背筋皮弁による下顎骨再建術

頭頸部癌の治療において, 下顎の軟組織欠損を伴う下顎骨の再建には, 血流が豊富な骨弁を含むさまざまな皮弁が用いられている. その中でも, 有茎の肋骨付き広背筋皮弁は, 肋骨弁の血流が豊富で安定性が良いこと, 広背筋の血行が安定しており複雑な軟組織欠損に対応できること, 骨への血行を保っているため感染に対し非常に強いことなどの利点がある. また肋骨は, 正常な下顎骨に比べると強度は弱いが細工が容易であり, 高齢の無歯顎者で下顎骨に高度な吸収をきたした症例の腫瘍切除後の再建に適していると考えられる. 今回, われわれは, 有茎肋骨付き広背筋皮弁による下顎骨再建術を経験した. 症例は口底癌, 下顎歯...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (2), p.114-114
Hauptverfasser: 初瀬川千晶, 中村美喜子, 坪田桂, 石崎善司, 小笠原利行, 佐野和生
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:頭頸部癌の治療において, 下顎の軟組織欠損を伴う下顎骨の再建には, 血流が豊富な骨弁を含むさまざまな皮弁が用いられている. その中でも, 有茎の肋骨付き広背筋皮弁は, 肋骨弁の血流が豊富で安定性が良いこと, 広背筋の血行が安定しており複雑な軟組織欠損に対応できること, 骨への血行を保っているため感染に対し非常に強いことなどの利点がある. また肋骨は, 正常な下顎骨に比べると強度は弱いが細工が容易であり, 高齢の無歯顎者で下顎骨に高度な吸収をきたした症例の腫瘍切除後の再建に適していると考えられる. 今回, われわれは, 有茎肋骨付き広背筋皮弁による下顎骨再建術を経験した. 症例は口底癌, 下顎歯肉癌各1例で, 頸部郭清術, 顎骨区域切除による腫瘍切除術後, 第11肋骨を広背筋とともに採取し, 下顎骨, 口底, 舌の一部を再建した. 術後, 感染による皮弁壊死や移植骨の露出はみられず, 形態的機能的にも良好な結果が得られた.
ISSN:0029-0297