A-18.顎顔面領域の手術皮膚縫合創に対する閉塞性ハイドロコロイド創傷被覆材(カラヤヘッシブ(R))の使用経験
一般に手術皮膚縫合創のドレッシングにはガーゼおよびテープが用いられる. しかし, 顎顔面領域は複雑な形態とその可動性のためにガーゼが剥離しやすく, また頻回のガーゼ交換は医療従事者および患者に負担となっている. 近年, 創の状態に応じた種々の創傷被覆材が開発されつつある. その中でも閉塞性ハイドロコロイド創傷被覆材であるカラヤヘッシブは, 創部の湿潤環境の維持が可能であり, 密着性, 透見性に優れ, 長期留置可能である等の利点を有しており, 皮膚科, 形成外科, 小児外科領域でその有用性が報告されている. 今回われわれは本被覆材を顎顔面領域の手術皮膚縫合創に使用し, その有用性について若干の知...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (2), p.108-108 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 一般に手術皮膚縫合創のドレッシングにはガーゼおよびテープが用いられる. しかし, 顎顔面領域は複雑な形態とその可動性のためにガーゼが剥離しやすく, また頻回のガーゼ交換は医療従事者および患者に負担となっている. 近年, 創の状態に応じた種々の創傷被覆材が開発されつつある. その中でも閉塞性ハイドロコロイド創傷被覆材であるカラヤヘッシブは, 創部の湿潤環境の維持が可能であり, 密着性, 透見性に優れ, 長期留置可能である等の利点を有しており, 皮膚科, 形成外科, 小児外科領域でその有用性が報告されている. 今回われわれは本被覆材を顎顔面領域の手術皮膚縫合創に使用し, その有用性について若干の知見を得たのでその概要を報告した. 対象は平成15年1月から8月までに当科で手術を施行した11例(男性9例, 女性2例, 平均年齢56.3歳)である. 疾患は悪性腫瘍:7例, 顔面肥厚性瘢痕:1例, 下顎骨骨折:1例, プレート異物:1例, 外歯瘻:1例であった. 手術創縫合直後に本被覆材を貼付し, 創部の状態と被覆材の使用状況を観察した. 被覆材の貼付は抜糸時までとし, 平均貼付時間は10.1日, 平均貼付回数は1.9回であった. 全例において治癒状態は良好であり, 貼付による皮膚障害も認めなかった. 11例中8例は髪の発育や彦出液の貯留により被覆材が途中剥離し, 再貼付を要した. 以上の結果より本被覆材は顎顔面領域の手術皮膚縫合創への使用に有用であり, また医療従事者および患者の負担軽減が可能であると思われた. |
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ISSN: | 0029-0297 |