A-9.両側性に発生した耳下腺Warthin腫瘍の1例

今回われわれは両側耳下腺に発生したWarthin腫瘍の1例を経験したので報告した. 患者は55歳の男性で3年ほど前より両側耳下腺部の腫脹を自覚するも放置していた. 紹介にて2003年2月12日に初診. 初診時, 両側耳下腺部に5×4cm大の腫瘤を認めた. CTでは右側耳下腺下部から下方に突出する腫瘤を認め, 左側は造影にて濃染不良な領域を含む腫瘤を認めた. MRIでは両側とも深葉に及ぶ信号強度の不均一な腫瘤を認めた. 唾液腺シンチグラムでは両側ともに集積を認めた. 穿刺吸引細胞診では左側はWarthin腫瘍, 右側は細胞異型なしであった. 3月3日に全身麻酔下にて右側耳下腺深葉切除術, 左側耳...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004, Vol.53 (2), p.106-106
Hauptverfasser: 名倉功, 宮田勝, 岡部孝一, 鈴木円, 高木純一郎, 車谷宏, 仲井雄一, 坂下英明
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:今回われわれは両側耳下腺に発生したWarthin腫瘍の1例を経験したので報告した. 患者は55歳の男性で3年ほど前より両側耳下腺部の腫脹を自覚するも放置していた. 紹介にて2003年2月12日に初診. 初診時, 両側耳下腺部に5×4cm大の腫瘤を認めた. CTでは右側耳下腺下部から下方に突出する腫瘤を認め, 左側は造影にて濃染不良な領域を含む腫瘤を認めた. MRIでは両側とも深葉に及ぶ信号強度の不均一な腫瘤を認めた. 唾液腺シンチグラムでは両側ともに集積を認めた. 穿刺吸引細胞診では左側はWarthin腫瘍, 右側は細胞異型なしであった. 3月3日に全身麻酔下にて右側耳下腺深葉切除術, 左側耳下腺浅葉切除術を行った. 左側では顔面神経は深葉側に圧迫されていた. 病理組織診断は両側とも線維性被膜に覆われた多結節性病変でありWarthin腫瘍であった. Frey症候群や顔面神経麻痺は生じず, 現在, 術後6か月で再発はなく経過は良好である.
ISSN:0029-0297