下顎骨下縁部に生じた比較的大きな周辺性骨腫の1例

骨腫は骨内部に発生する中心性骨腫と骨膜性に発生する周辺性骨腫とに分けられる1). 下顎における周辺性骨腫の好発部位は, 下顎角の内外縁, オトガイ部下縁, 臼歯部舌側とされている1). 今回, われわれは下顎骨下縁部に生じた比較的大きな周辺性骨腫を口腔内より切除, 治療する機会を得たので報告する. 患者:32歳, 女性. 初診:1999年10月18日. 主訴:左顎角部前方の腫脹と圧痛があり, 顎の形が変わってきた. 既往歴, 家族歴:特記事項なし. 現病歴:1987年頃, 左顎角部付近に腫瘤を自覚し, 近歯科医院を受診するもしばらく経過観察を指示された. 1992年頃, 同医院にて再度X線写真...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2004-01, Vol.53 (1), p.37-40
Hauptverfasser: 竹内良成, 小林明子, 渋谷智明, 立花忠夫, 高木實, 天笠光雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:骨腫は骨内部に発生する中心性骨腫と骨膜性に発生する周辺性骨腫とに分けられる1). 下顎における周辺性骨腫の好発部位は, 下顎角の内外縁, オトガイ部下縁, 臼歯部舌側とされている1). 今回, われわれは下顎骨下縁部に生じた比較的大きな周辺性骨腫を口腔内より切除, 治療する機会を得たので報告する. 患者:32歳, 女性. 初診:1999年10月18日. 主訴:左顎角部前方の腫脹と圧痛があり, 顎の形が変わってきた. 既往歴, 家族歴:特記事項なし. 現病歴:1987年頃, 左顎角部付近に腫瘤を自覚し, 近歯科医院を受診するもしばらく経過観察を指示された. 1992年頃, 同医院にて再度X線写真を撮影したが, 再度経過観察を指示された. 1999年9月13日, 歯科治療のために別の歯科医院を受診し, 同腫瘤を指摘され, 同側の骨密度が低いとの印象を指摘され当科での精査を勧められ, 1999年10月18日, 紹介により当科を受診した. 現症: 全身所見;体格, 栄養状態とも良好で, 特に異常は認められなかった. 口腔外所見;顔貌は左右非対称で左側顎角部付近に半球状, 骨様硬の膨瘤を認めた. 同部皮膚に異常は認められなかった(図1A). 口腔内所見;異常所見は認められなかった. X線所見;パノラマX線写真では, 左側下顎骨下縁部に骨様, 有茎状かつ境界明瞭な不透過像を認めた(図1B). CT所見;左側下顎骨下縁部に境界明瞭な30×25mmのX線不透過性腫瘤が皮質骨から有茎状に突出していた(図1C). 臨床検査所見:血液, 尿検査ともに異常所見は認められなかった. 臨床診断:左側下顎骨下縁部周辺性骨腫.
ISSN:0029-0297
DOI:10.11277/stomatology1952.53.37