2-H-06-1.羊顎関節強直症に対する外科的治療-第8報-顎関節間隙形成術後における低線量放射線照射の影響
【目的】本研究は羊顎関節強直症モデルに対し, 関節間隙形成術(Gap arthroplasty, 以下GAと略す)後に放射線照射(10Gy)を1回行いその術後経過を機能的, X線学的, および病理組織学的に観察した. 【方法1実験動物としてメリノ羊5頭を用い, 既報告のGA単独群とGA+放射線照射群で比較した. 顎関節強直症は下顎頭切除, 関節窩掻爬, 関節円板切除, および関節窩内へ骨片留置することにより右側顎関節に作製した. 強直症作製3か月後にGA+放射線照射(照射野:25cm2, FSD:110cm, 焦点深度:1cm, 総線量:10Gy)を施行し, 更に3か月後全ての羊を屠殺した....
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.463-463 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】本研究は羊顎関節強直症モデルに対し, 関節間隙形成術(Gap arthroplasty, 以下GAと略す)後に放射線照射(10Gy)を1回行いその術後経過を機能的, X線学的, および病理組織学的に観察した. 【方法1実験動物としてメリノ羊5頭を用い, 既報告のGA単独群とGA+放射線照射群で比較した. 顎関節強直症は下顎頭切除, 関節窩掻爬, 関節円板切除, および関節窩内へ骨片留置することにより右側顎関節に作製した. 強直症作製3か月後にGA+放射線照射(照射野:25cm2, FSD:110cm, 焦点深度:1cm, 総線量:10Gy)を施行し, 更に3か月後全ての羊を屠殺した. 【結果】両群とも強直症作製により体重と下顎可動域は有意に減少し, GAにより可動域は増加したが, GA単独群と比較して放射線照射群では, 術後3か月間での可動域の減少率は低かった. 病理組織学的には全関節腔で線維性再癒着がみられ, また左側2関節に照射の影響によると思われる, 骨髄内出血に起因した線維性結合組織の形成を認めた. 【結論】顎関節強直症に対するGA後の低線量放射線の単回照射は, 線維性再癒着を完全に抑制するには至らなかったが, 下顎可動域の減少率はGA単独群よりも低かった. また対側への影響が懸念されることから, 分割照射や周囲組織の防護が重要であると考える. 質問 奈良県立医大医口外 川上哲司 中間挿入物としての咬筋移植のヒトにおける役割はどのようにお考えですか. 回答 愛知学院大歯口外1 清水幹雄 臨床においても本研究と同様に顎関節腔内の筋組織は線維性組織に移行していると推察します. |
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ISSN: | 0029-0297 |