2-I-02-2.外科処置を行ったセメント質骨異形成症の臨床的,病理学的検討
セメント質骨異形成症の細分類には多少の混乱があり, 相互の異同や関連性について必ずしも合意が得られていない. 外科処置を行ったセメント質骨異形成症について, 臨床病態, X線所見, 病理所見の検討を行い, 分類の問題点についても考察した. 対象患者は女性21名(95.5%), 男性1名(4.5%)の22名で, 女性の年齢分布は31~73歳, 平均51.0歳で40歳代が半数を占めていた. 男性の1名は79歳で最年長だった. 外科処置の原因は硬化性病変への感染が12名で症例の半数以上を占めており, 腫脹や膨隆感5名, 抜歯や根管治療後の違和感3名, その他2名であった. X線所見にて左右あるいは上...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.459-459 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | セメント質骨異形成症の細分類には多少の混乱があり, 相互の異同や関連性について必ずしも合意が得られていない. 外科処置を行ったセメント質骨異形成症について, 臨床病態, X線所見, 病理所見の検討を行い, 分類の問題点についても考察した. 対象患者は女性21名(95.5%), 男性1名(4.5%)の22名で, 女性の年齢分布は31~73歳, 平均51.0歳で40歳代が半数を占めていた. 男性の1名は79歳で最年長だった. 外科処置の原因は硬化性病変への感染が12名で症例の半数以上を占めており, 腫脹や膨隆感5名, 抜歯や根管治療後の違和感3名, その他2名であった. X線所見にて左右あるいは上下顎に病変が存在するものを多発性病変, 片側の連続した2~3歯以内のものを限局性病変と定義すると, 多発性病変は16名(72.7%)で, そのうち典型的な開花性セメント質骨異形成症(FLCOD)は4名(18.2%)であった. 限局性病変は4名であった. 22名の合計57病変中37病変(64.9%)が下顎臼歯部であり, 典型的な根尖性セメント質異形成症(PCOD)は認めなかった. 病理所見では多発性, 限局性を問わず, 非感染部でのX線透過性領域は細胞成分に富む線維性組織と粒状のセメント質様あるいは幼弱な骨様硬組織からなり, 不透過性領域は成熟した塊状硬組織からなっていた. 2名の多発性病変では, 内面が薄い線維性組織で覆われた骨空洞を認めた. TomichやWaldronはPCODの臼歯部病変に相当し, FLCODの単発型あるいは初期病変として巣状セメント質骨異形成症(FCOD)の名を用いている. しかしFLCODとFCODの区別やPCODの定義が曖昧で, 多領域に発現すればFLCODなのか, あるいは病巣の大きさまで加味するのか, PCODは下顎前歯部病変に限定されるのかなどが不明確である. 旧来の名称にこだわらなければ, 多発性病変と限局性病変の2型に分類するのも一案と考える. |
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ISSN: | 0029-0297 |