1-F-05-1.当科における最近の口腔・顎顔面外傷症例の検討

近年, 乗用車の安全性能の向上や, スポーッ人口の増加など, 社会環境, 生活環境が変化している. それに伴い, 顎顔面外傷の原因, 年齢層, 部位別頻度などが変化していることが考えられる. そこで, その評価を目的に調査, 検討した. 【材料と方法】対象は, 1997年10月から2002年9月までの最近5年間に大分医科大学歯科口腔外科を受診した外傷患者一次症例263例である. また10年さかのぼり, 1987年10月から1992年9月までの5年間を調査し, 比較検討した. 【結果および考察】最近5年間の年平均新患数は1604人で年平均外傷患者数は47.2人(3%)であった. 性別ではすべての...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.397-397
Hauptverfasser: 松本有史, 平野公彦, 古川雅英, 高橋喜浩, 江口美香, 金田亮子, 河野憲司, 柳澤繁孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年, 乗用車の安全性能の向上や, スポーッ人口の増加など, 社会環境, 生活環境が変化している. それに伴い, 顎顔面外傷の原因, 年齢層, 部位別頻度などが変化していることが考えられる. そこで, その評価を目的に調査, 検討した. 【材料と方法】対象は, 1997年10月から2002年9月までの最近5年間に大分医科大学歯科口腔外科を受診した外傷患者一次症例263例である. また10年さかのぼり, 1987年10月から1992年9月までの5年間を調査し, 比較検討した. 【結果および考察】最近5年間の年平均新患数は1604人で年平均外傷患者数は47.2人(3%)であった. 性別ではすべての年齢層で男性が多かった. 男女比は1.74:1であった. 受傷部位別では下顎骨骨折が最も多く77例, 次いで破折, 脱臼など歯の損傷65例, 軟組織損傷60例, 上顎骨工頬骨骨折33例であった. 受傷原因では転倒転落が最も多く114例, 48%であった. 内訳を年齢分布と合わせてみると10歳未満および60歳以上に多かった. 次が交通事故で68例, 29%. 殴打等暴力行為によるもの22例, 9%であった. 近年増加傾向といわれるスポーツ外傷は18例, 8%でコンタクトスポーツよりも野球, ソフトボールといった, 球技を原因としたものが多かった. 10年前との比較では, 新患総数が増加したのに比べ, 外傷患者の割合は減少傾向であった. 原因別で, 交通事故が減少していた. 事故状況をみると乗用車乗車中の受傷が減っており, シートベルトの着用率, エアバックの装着率の増加など, 安全面の変化も一因と考えられた. また, 高齢者の転落, 転倒事故が増加の傾向にあった.
ISSN:0029-0297