2-F-03-3.Hallermann-Streiff症候群の1例-多孔体アパタイト骨補填材によるオトガイ形成術と下顎骨延長術,人工歯根植立術の長期経過
Hallermann-Streiff症候群は1893年にAubryが最初に報告した奇形症候群である. われわれは本症の1症例に対して機能的, 審美的改善をはかった. 今回, 術後15年の長期的な経過観察結果を報告する. 症例は初診時年齢20歳, 女性. 1988年3月, 顎変形, 咬合不全を主訴とし来院. 某病院眼科にて先天性白内障を認め, 特異的顔貌などからHallerman-Streiff症候群と診断された. 10歳時に前歯部永久歯先天欠如を指摘され, 学童期より顔貌のコンプレックスを持っており, 17歳時から, 本学小児科の神経外来でカウンセリングを受けており, 同科より当科紹介となった...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.377-378 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | Hallermann-Streiff症候群は1893年にAubryが最初に報告した奇形症候群である. われわれは本症の1症例に対して機能的, 審美的改善をはかった. 今回, 術後15年の長期的な経過観察結果を報告する. 症例は初診時年齢20歳, 女性. 1988年3月, 顎変形, 咬合不全を主訴とし来院. 某病院眼科にて先天性白内障を認め, 特異的顔貌などからHallerman-Streiff症候群と診断された. 10歳時に前歯部永久歯先天欠如を指摘され, 学童期より顔貌のコンプレックスを持っており, 17歳時から, 本学小児科の神経外来でカウンセリングを受けており, 同科より当科紹介となった. 20歳時の現症は身長144cm, 体重37kg, 均整のとれた均衡性小人症で, 顔貌所見の小眼裂, 鈎鼻以外の以下の症状に対し治療を行った. すなわち, 1988年5月, 全麻下, 下顎後方位および開咬に対する下顎矢状分割による下顎骨延長術ならびに咬合改善術, 両側頬部の下垂に対する両側頬脂肪体部分切除術, オトガイ形成不全に対する多孔体アパタイト骨補填材を用いたオトガイ形成術を行った. さらに永久歯先天性部分欠如に対し, 1988年11月に上顎前歯部, 1995年6月には下顎前歯部へ, いずれも局麻下にてチタン製人工歯根植立術(Chercheve社製, 仏)を行った. 現在35歳, 術後15年で, X線像上, オトガイ部の多孔体アパタイトブロックは骨の添加, 新生により包埋され, 周囲骨と一体化し, 感染, 吸収等なく安定した状態で, 下顎骨, オトガイおよび両側頬部は軟組織を含め後戻り等なく加齢に相応し, 調和のとれた顔貌形態を維持している. 審美的, 精神的にも顔貌のコンプレックスは解消されており, 術後, 性格も明朗となり, 日常生活も含め患者本人の満足を得ている. また, 人工歯根も植立後14年が経過し, 上部構造も安定しており, 咬合機能を含め, 経過は良好である. 質問 横浜市大 渡貫圭 手術によって精神心理学的にはどのように変化したでしょうか. 回答 山梨大大学院歯口外 只友陽太郎 術前は, かなり引込み思案な状況でしたが, 術後はかなり改善され, 現在は御結婚もし, 御子様もいらっしゃる状態です. |
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ISSN: | 0029-0297 |