1-E-03-5.線維性異形成症の加齢に伴う病理組織像の比較検討
線維性異形成症は, 骨髄が線維性組織で置換されることを特徴とする疾患で, 骨形成性間葉組織の発育異常の一種と考えられており, 本疾患が顎骨に生ずると無痛性の骨膨隆から次第に顔面の変形を来す. 一般に若年期に発症し思春期以降病変の進行は停止するとされるが, 本疾患の長期経過観察症例および病理組織学的に比較検討を加えた報告は少ない. 今回われわれは若年者の上顎骨に広範囲にわたり単骨性に生じた本疾患に対し, 10歳から23歳までの長期間にわたり加療を行い, 病変部の経時的な変化を病理組織学的に検討したので報告した. 症例:23歳, 男性;患者は10歳時, 左側上顎部の無痛性腫脹を主訴に当科受診した....
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.365-365 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 線維性異形成症は, 骨髄が線維性組織で置換されることを特徴とする疾患で, 骨形成性間葉組織の発育異常の一種と考えられており, 本疾患が顎骨に生ずると無痛性の骨膨隆から次第に顔面の変形を来す. 一般に若年期に発症し思春期以降病変の進行は停止するとされるが, 本疾患の長期経過観察症例および病理組織学的に比較検討を加えた報告は少ない. 今回われわれは若年者の上顎骨に広範囲にわたり単骨性に生じた本疾患に対し, 10歳から23歳までの長期間にわたり加療を行い, 病変部の経時的な変化を病理組織学的に検討したので報告した. 症例:23歳, 男性;患者は10歳時, 左側上顎部の無痛性腫脹を主訴に当科受診した. 成長途中であったが審美性改善を目的に, 11歳時, 病変部の骨減量術を施行した. 以降経過観察を行うも, 顔面変形は身体の成長に伴い著明になった. 18歳になって身長増加がほぼ停止し, 病変部の腫脹速度も低下傾向を示したことを確認後, 口腔内外より広範な顔面半側病変部骨削除形成術を施行した. 術後審美性は大きく改善し, 4年半経過するも3D-CTによる評価にて病巣増大は軽度であり, 顔貌変化はほとんど認められず経過良好であった. 今回11歳時と18歳時の病理組織像を特に間質組織に注目して比較した. H-E, Azan, S100, CD34, CD68(KP-1)の染色を行った. 18歳時の病理組織像は!1歳時のものに比較し, 間質細胞が分化, 成熟して, 破骨細胞等の多核巨細胞の増加が認められ, 病変の緩慢な発育が示唆された. このことは, 手術の施行時期に関し病理組織学的に興味ある一所見であると考えられた. 質問 九州歯大 福山宏 11歳, 18歳の病理組織像でとくに神経分布に差があったのか御教示下さい. 回答 富山医薬大医歯口外 前田美代子 今後さらに検討していきたく思います. |
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ISSN: | 0029-0297 |