2-A-02-1.上顎歯肉扁平上皮癌に対する超選択的動注化学療法・放射線併用療法の治療効果についての検討
【目的】われわれは平成11年から, 口腔扁平上皮癌の術前治療として超選択的動注化学療法放射線併用療法(CDDP100mg, 放射線外照射30Gy)を施行している. 今回は特に上顎歯肉癌に焦点をしぼってその治療効果を検討した. 【対象】対象は平成11年から14年まで当科で治療を行った上顎歯肉癌15例であり, 扁平上皮癌14例, 粘表皮癌1例であった. 平均年齢は66.2歳(55~81歳). stageII2例, stageIII3例, stageIV10例であった. 術前治療のレジメンは, セルジンガー法を用いて, !回CDDP50mg動注を2回, 計100mg投与し, 同時に放射線外照射1日2...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.345-345 |
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Hauptverfasser: | , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 【目的】われわれは平成11年から, 口腔扁平上皮癌の術前治療として超選択的動注化学療法放射線併用療法(CDDP100mg, 放射線外照射30Gy)を施行している. 今回は特に上顎歯肉癌に焦点をしぼってその治療効果を検討した. 【対象】対象は平成11年から14年まで当科で治療を行った上顎歯肉癌15例であり, 扁平上皮癌14例, 粘表皮癌1例であった. 平均年齢は66.2歳(55~81歳). stageII2例, stageIII3例, stageIV10例であった. 術前治療のレジメンは, セルジンガー法を用いて, !回CDDP50mg動注を2回, 計100mg投与し, 同時に放射線外照射1日2Gyを15回, 計30Gyを照射した. 【結果】CDDP動注の選択動脈は, 顎動脈単独が10回(延べ数), 顎動脈と顔面動脈の併用が9回とその大半をしめた. 臨床的治療効果は, 15例中14例がPRを示し, 奏効率93%, 大星下里の分類による組織学的治療効果はgradeIIb以上が87%, gradeIII以上が73%, gradeIVが53%であった. 予後としては, 後発転移1例, 原発巣再発1例, 頸部再発1例で, その3例全例が死亡した. 骨吸収がイレギュラーな症例, 上顎骨洞内上方進展症例, 間質の細胞浸潤の少ない症例でgradeIVが少なく, 予後不良の傾向があった. 【まとめ】上顎歯肉癌においても同療法は有効であり, 上顎洞内や上顎洞後壁に進展した症例にも十分効果があった. 質問 自治医大 松村俊男 1回の動注で3ケ所薬剤を注入した症例について, total投与量とその割合をどのように決定しているのか. 回答 熊本大医歯口外 池辺哲郎 全腫瘍範囲を造影するために, 左右外頸動脈と患側の顔面動脈が必要だったということです. しかし, 量は, 増やしている訳ではなく, 1回50mgです. 質問 奈良県立医大口外 桐田忠昭 1. 術前治療終了後比較的早期に手術を施行されていますが, 術後に問題はなかったのか. 2. 組織学的効果も高いので, 縮小手術も可能ではないかと考えるが, いかがか. 回答 熊本大医歯口外 池辺哲郎 1. 手術は, 術前治療後2週間から3週間の間に行っている. 白血球減少などで, 手術を延期したことがあるが, 術前治療後, 4週で手術を行った. 2. 縮小手術はしていません. 質問 大阪大大学院顎病因病態制御 大倉正也 50mg/bodyのcisplatinの決定はなぜでしょうか. RT30Gyという線量の決定はどうしてでしょうか. 追加質問 やはりGloval standardな量を考慮されたほうがよいのではないでしょうか. 回答 熊本大医歯口外 池辺哲郎 CDDPの量は副作用が少なく, 効果が得られる量ということで経験的に設定しました. また, 放射線の線量を30Gyに設定した理由は, 以前, ブレオマイシンと外照射22. 5Gyを併用した経験で, 十分な治療効果が得られたという経験があったため, 放射線増感作用がブレオマイシンより劣るCDDPでは, 30Gyが副作用も少なく適当ではないかと考えて設定しました. |
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ISSN: | 0029-0297 |