2-A-01-2.口腔癌に対するDocetaxel,CDDP,5-FUを用いた化学療法の検討

口腔癌に対する化学療法には従来CDDPと5-FUの併用が主に行われてきたが, 治療効果は満足できるものではなかった. 近年, タキソイド系抗悪性腫瘍剤である, Docetaxe1の頭頸部癌に対する効果が認められてきている. そこで, 今回われわれは口腔癌に対し, Docetaxel, CDDP, 5-FUを併用化学療法を行い, その効果について検討した. 対象は2002年1月以降, 当科にて治療を行った口腔扁平上皮癌3例である. 術前化学療法としての位置づけで, Decetaxe150mg/m2, およびCDDP60mg/m2を第1日に, 5-FU500mg/m2/dayを第1~5日に点滴投与...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.343-344
Hauptverfasser: 亀卦川昭宗, 渡邊八州郎, 酒井英紀, 朝倉節子, 成川公貴, 舩田安希, 高山治, 冨塚清二, 佐々木忠昭, 今井裕, 藤林孝司
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:口腔癌に対する化学療法には従来CDDPと5-FUの併用が主に行われてきたが, 治療効果は満足できるものではなかった. 近年, タキソイド系抗悪性腫瘍剤である, Docetaxe1の頭頸部癌に対する効果が認められてきている. そこで, 今回われわれは口腔癌に対し, Docetaxel, CDDP, 5-FUを併用化学療法を行い, その効果について検討した. 対象は2002年1月以降, 当科にて治療を行った口腔扁平上皮癌3例である. 術前化学療法としての位置づけで, Decetaxe150mg/m2, およびCDDP60mg/m2を第1日に, 5-FU500mg/m2/dayを第1~5日に点滴投与を1クールとし, 3週休薬の後, 同様の投与方法で計2クール行った. 対象症例中2例については本化学療法により, PRの効果を得て根治手術施行, 病理組織学的にもGradeIIaの効果が認められた. また, 残りの1例は舌原発T4N3M0の進行例であったが, 1クール終了時点ではPR, 2クール終了時点で原発巣はさらに効果を得るも, 頸部転移巣は化学療法抵抗性を獲得したと考えられる腫瘍の増大をきたし, 根治的切除手術には至らず, 原病死の転帰となった. 有害事象については, 白血球減少, とくにの好中球減少がGrade3が1例, Grade4が2例と著明であり(日本癌治療学会薬物有害反応判定基準)G-CSFの投与を必要とした. また, 脱毛についても全例で出現した. 今回の対象はわずか3症例と少ないが, Decetaxelを含んだ3剤併用の化学療法は既存の化学療法にくらべてさまざまな点で有用性が期待されると考えられ, 今後さらに症例をふやし, 投与量等についても検討を重ねていく予定である. 質問 昭和大工歯1口外 森紀美江 投与前の全身状態(肝機能, 腎機能等)に, 考慮が必要であった症例がありましたでしょうか. 回答 獨協医大口外 亀卦川昭宗 肝機能障害のある症例に対してAST, ALT(GOT, GPT)が正常値の2倍以上の場合現在のところ投与を見合わせています. このほか, 白血球数4000以下の症例についても同様に投与を見合わせています. 質問 鹿児島大 国芳秀晴 ドセタキセルの脱毛は, どれくらいの量からおきるのか教えて下さい. 回答 獨協医大口外 亀卦川昭宗 選択的動注の際のDecetaxelの投与量と脱毛の関係についてですが, 本学では選択的動注化学療法の際に未だDecetaxelを用いておりませんのでdataをもちあわせておりません. 質問 大分医大医歯口外 柳澤繁 66歳T2N0M0の高齢者症例にこの化学療法を適用した理由は. 回答 獨協医大口外 亀卦川昭宗 66歳と「高齢」ではありますが諸検査上特に問題なかったこと, またTsizeか30mm以上と舌の1ateT2症例であったこと, 以上の理由より本療法を適用しました.
ISSN:0029-0297