2-A-03-4.口腔癌における副咽頭間隙切除の適応と意義
1999年以降当科で副咽頭間隙および後咽頭間隙の切除を行った口腔癌患者21例について検討を行った. 手術の時期は初回手術時:17例, 原発巣再発時:2例, 後発転移時:2例で, 切除部位は前区のみ:12例, 前+後区:6例, 前+後区に咽頭後隙の郭清を併用したもの:3例であった. 副咽頭腔へのアプローチ法としては, mandibular swing法(下顎切断法)が16例, 下顎切除法が5例であった. 副咽頭間隙切除の適応としては, 後方型の日腔癌, 上内深頸に転移を認める後方型の上顎癌と考えている. これらはmandibular swing法を積極的に用いることで舌後方, 中咽頭, 上顎骨後...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.342-342 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 1999年以降当科で副咽頭間隙および後咽頭間隙の切除を行った口腔癌患者21例について検討を行った. 手術の時期は初回手術時:17例, 原発巣再発時:2例, 後発転移時:2例で, 切除部位は前区のみ:12例, 前+後区:6例, 前+後区に咽頭後隙の郭清を併用したもの:3例であった. 副咽頭腔へのアプローチ法としては, mandibular swing法(下顎切断法)が16例, 下顎切除法が5例であった. 副咽頭間隙切除の適応としては, 後方型の日腔癌, 上内深頸に転移を認める後方型の上顎癌と考えている. これらはmandibular swing法を積極的に用いることで舌後方, 中咽頭, 上顎骨後方, 翼状突起を明示することができ確実に安全域を切除することが出来る. また上顎癌においては副咽頭間隙を通るリンパ流を出来るだけ切断することなく原発巣頸部一塊切除するといった目的も含んでいる. しかしこれらの術式の後遺症, 合併症として嚥下障害, 溶出性中耳炎, 開口障害, 審美障害, 咬合異常, 術後照射の制限といったものを経験した. 経過観察期間は短いが予後としては生存16例, 担癌2例(副咽頭間隙, 肺), 死亡3例(頸部死1例, 遠隔転移死1例, 他病死1例)であった. 今後さらに検討を加え長期予後についても報告したいと考える. 質問 東医歯大大学院口腔機能再建 小村健 軟口蓋の運動麻痺の出現は. 回答 神戸大大学院顎口腔機能 南川勉 副咽頭間隙の切除を施行している症例は, 後方進展型の口腔癌であるため, 中咽頭側壁, 口蓋弓を安全域に含めることが多いため, 軟口蓋の麻痺による重篤な後遺症を経験していない. |
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ISSN: | 0029-0297 |