2-D-06-4.悪性黒色腫細胞に対するIFN-γと抗Fas抗体による治療実験
インターフェロンガンマ(IFN-γ)は腫瘍細胞に対し直接作用により増殖抑制作用を示すだけでなく, クラスI, II組織適合抗原の誘導, NK細胞活性増強作用, 抗体依存性細胞障害(ADCC)活性増強作用, マクロファージ活性化等の免疫反応を介した間接的な腫瘍細胞障害作用が報告されており, その間接作用のひとつに細胞表面抗原Fasの過剰発現がある. 今回われわれはIFN-γと抗Fas抗体によるメラノーマ治療の可能性を検討することを目的として口腔由来悪性黒色腫細胞株(MMN9, PMP, MAA, HMG)に対する治療実験を行い報告した. 【材料と方法】in vitroで各cell lineのIF...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.332-332 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | インターフェロンガンマ(IFN-γ)は腫瘍細胞に対し直接作用により増殖抑制作用を示すだけでなく, クラスI, II組織適合抗原の誘導, NK細胞活性増強作用, 抗体依存性細胞障害(ADCC)活性増強作用, マクロファージ活性化等の免疫反応を介した間接的な腫瘍細胞障害作用が報告されており, その間接作用のひとつに細胞表面抗原Fasの過剰発現がある. 今回われわれはIFN-γと抗Fas抗体によるメラノーマ治療の可能性を検討することを目的として口腔由来悪性黒色腫細胞株(MMN9, PMP, MAA, HMG)に対する治療実験を行い報告した. 【材料と方法】in vitroで各cell lineのIFN-γ処理48時間後のFas発現レベルをフローサイトメトリーにて測定し, MTTassayにてIFN-γ(imunomax(R)-γ:100JRU/mlと抗Fas抗体(CH-11:100ng/ml)に対する感受性試験を行った. in vivoでの抗腫瘍効果の検討には, in vitro感受性試験で最も効果がみられたMMN9のヌードマウス累代移植腫瘍を用い治療実験および組織学的検討を行った. 【結果】MMN9およびPMPではIFN-γ処理に伴いFasの発現が増加した. IFN-γとCH-11併用48時間後の増殖抑制効果はMMN9;68.9%, PMP;44.0%, HMG;15.1%でMAAにはほとんど効果がみられなかった. In vivoでの治療実験で投与開始20日後のIFN-γ+CH-11併用群では48. 4%の腫瘍増殖抑制効果を認め, TUNEL染色にて陽性細胞を検出した. 1考察】in vitroの検討でFasの発現レベルと抗Fas抗体の感受性の関連性が示唆された. MMN9累代腫瘍に対する治療効果を認めたことからFasを標的としたメラノーマ治療の可能性が考えられた. 質問 日本歯大新潟歯1病理 片桐正隆 in vitroでの培養細胞をin vivoでのヌードマウスの皮下にtransplantationされた組織について治療効果所見を提示されましたが, 一般に移植後の期間によっては中心壊死を伴うので, 貴殿の場合の期間はどのような時期のものであったか説明下さい. 質問 氏名不詳 今回のデータでは, 単一のcell lineにしか効果を示していないので, 臨床応用するには難しいのではないか. 回答 三重大医口外 亀井貴彦 現在, 他のcell lineでも検討を行っており, 効果を示すcell lineもあります. 質問 島根医大医口外 三島宏一 CH11のようなFasを直接活性化するような抗体を生体で用いると肝障害以外にも多くの障害, 特にT細胞障害が出てくると考えられませんか. 回答 三重大医口外 亀井貴彦 現在CH11と異なった, 肝毒性を示さない新しい抗体を用い実験を行っている. 質問 昭和大歯2口外 南雲正男 in vitroの系でsFasは検討されておられますか. 回答 三重大医口外 亀井貴彦 行っておりません. |
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ISSN: | 0029-0297 |