1-B-05-2.下顎骨浸潤動物モデルを用いた骨浸潤メカニズムの検討

【目的】本研究では口腔癌の顎骨浸潤メカニズムの解明と, その制御指針を得ることを目的として, 1)顎骨浸潤動物モデルの樹立による骨浸潤メカニズムの検討, 2)顎骨浸潤におけるVEGFの関与, 3)骨吸収抑制作用を有するビスフォスフォネート(BP)の効果, について検討した. 【方法】ヌードマウスの下顎角傍骨膜部にA375ヒトメラノーマ細胞を5×10^6個接種した. 一部の動物には, BPの一つであるインカドロネート(INC,1.0mg/kg/day)を細胞接種日より連日皮下投与した. また骨基質由来増殖因子のA375細胞のVEGF産生に対する作用についてELISA法にて検討した. 【結果および...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.327-328
Hauptverfasser: 北川泰司, 平賀徹, 由良義明, 米田俊之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【目的】本研究では口腔癌の顎骨浸潤メカニズムの解明と, その制御指針を得ることを目的として, 1)顎骨浸潤動物モデルの樹立による骨浸潤メカニズムの検討, 2)顎骨浸潤におけるVEGFの関与, 3)骨吸収抑制作用を有するビスフォスフォネート(BP)の効果, について検討した. 【方法】ヌードマウスの下顎角傍骨膜部にA375ヒトメラノーマ細胞を5×10^6個接種した. 一部の動物には, BPの一つであるインカドロネート(INC,1.0mg/kg/day)を細胞接種日より連日皮下投与した. また骨基質由来増殖因子のA375細胞のVEGF産生に対する作用についてELISA法にて検討した. 【結果および考察】本研究で樹立した動物モデルは高率に再現性高く口腔癌患者に見られると同様の顎骨の吸収浸潤を示し, 口腔癌の顎骨浸潤を検討するうえで有用なモデルであることが示された. INCがA375腫瘍の増大ならびに顎骨への浸潤を抑制したことから, 顎骨での癌の進展に破骨細胞が重要な役割を演じていることが示唆された. このような破骨細胞の増加にはA375細胞が産生するPTH-rP, VEGFの関与が示唆された. また, 骨基質中に豊富に存在し, 骨吸収に伴い放出されるIGF-1およびTGFβ用によってA375細胞のVEGF産生が促進されたことから, 破骨細胞性骨吸収が腫瘍の増大, ならびに顎骨浸潤をポジティブフィードバック性に促進すると推測される. 従って, 破骨細胞による骨吸収を特異的に阻害するBPはメカニズムに立脚した口腔癌の下顎骨浸潤制御薬剤として有用であると考えられる. 質問 東京歯大口外1 野村武史 1. PTH-rP, VEGF以外の他のサイトカインの発現はみたか. 2. INCは破骨細胞のアポトーシスと腫瘍抑制効果以外に抗サイトカイン効果もあるのではないかと考えているが, それについてどう思うか. 回答 大阪大大学院口外2 北川泰司 1. 検討していません. 2. 検討していません.
ISSN:0029-0297