1-B-04-3.In vitro invasion modelにおける口腔扁平上皮癌細胞と線維芽細胞間相互作用の解析

癌細胞の浸潤にはMatrix Metalloproteinase(MMP)の関与が強く示唆されており, このMMPの活性化には, 間質の線維芽細胞が何らかの役割をはたしていることが知られている. われわれはこれまでに, HSC-3(ヒト口腔扁平上皮癌細胞株)とMRC-5(ヒト胎児肺由来線維芽細胞株)をコラーゲンゲル内で三次元混合培養(in vitro invasion model)することにより, 癌細胞由来の非活性型MMP-9(92kDa)が67kDaの分子量をもつ活性型MMP-9に低分子化されることを報告してきた. 今回, 活性型MMP-9の出現と癌細胞浸潤動態との関係をin vitroの...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (6), p.326-327
Hauptverfasser: 清水諭, 土肥雅彦, 鈴木健司, 須賀正子, 加藤寛治, 小澤重幸, 久保田英朗
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:癌細胞の浸潤にはMatrix Metalloproteinase(MMP)の関与が強く示唆されており, このMMPの活性化には, 間質の線維芽細胞が何らかの役割をはたしていることが知られている. われわれはこれまでに, HSC-3(ヒト口腔扁平上皮癌細胞株)とMRC-5(ヒト胎児肺由来線維芽細胞株)をコラーゲンゲル内で三次元混合培養(in vitro invasion model)することにより, 癌細胞由来の非活性型MMP-9(92kDa)が67kDaの分子量をもつ活性型MMP-9に低分子化されることを報告してきた. 今回, 活性型MMP-9の出現と癌細胞浸潤動態との関係をin vitroの系で解析した. HSC-3のゲル内への浸潤増殖は上清中に活性型MMP-9が出現する時期と(培養6日目)と一致した. グルタールアルデヒドで固定したMRC-5をHSC-3と三次元混合培養し, 上清中のMMP活性を検出したところ, 活性型MMP-9(67kDa)は認められず, 同一標本の組織学的検索でもHSC-3のゲル内への浸潤は認められなかった. また, MMP-9の活性化因子の一つであるMMP-3が, in vitro invasion modelにおいて強く発現していることを見出した. 以上の結果より, このin vitro invasion model系では癌細胞と間質線維芽細胞との相互作用が, 癌細胞由来MMP-9の活性化と癌細胞の浸潤に深くかかわっていることが示唆された. 質問 大分医大 河野憲司 MRC-5によるHSC-3浸潤促進においてMRC-5由来のHGFが関与しているのか. その他のfactorが関わっているのか. 回答 神奈川歯大口外2 清水諭 癌細胞のscatter factorとしてHGFは考えておりますが, あくまでも今回は癌細胞から分泌されたMMP-9の活性化因子に着目していますので, HGFの作用は見ておりません. 質問 金沢大大学院細胞浸潤 川尻秀一 HSC-3以外の癌細胞ではどうでしょうか. 回答 神奈川歯大口外2 清水諭 HSC-3以外の細胞は用いて実験は行っていません. 他の癌細胞を用いたり, ゲル内のfibroblastの種類を変えてみて浸潤動態の検討を考えております.
ISSN:0029-0297