22.頬部に発生した孤立性線維性腫瘍の1例

孤立性線維性腫瘍は, 間葉系組織由来の良性腫瘍で, 口腔領域に発生する例はきわめてまれであるとされている. この度われわれは, 頬部に発生した孤立性線維性腫瘍の1例を経験したので, その概要を報告した. 患者は32歳男性で, 主訴は右頬部の腫脹. 勤務先の健康診査で内科医より同部の腫脹を指摘され, 当科を紹介された. 右頬部に大きさ40×30×10mmの境界明瞭な弾性軟, 可動性のある腫瘤を認めた. 臨床診断を右頬部良性腫瘍とし, 腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的には, 紡錘形の線維芽細胞様腫瘍細胞に密な膠原線維が混在しており, さまざまな太さの血管が多数みられ, 免疫組織化学的染色では,...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (4), p.217-217
Hauptverfasser: 河野俊広, 柳本惣市, 吉冨泉, 川崎五郎, 水野明夫, 藤田修一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:孤立性線維性腫瘍は, 間葉系組織由来の良性腫瘍で, 口腔領域に発生する例はきわめてまれであるとされている. この度われわれは, 頬部に発生した孤立性線維性腫瘍の1例を経験したので, その概要を報告した. 患者は32歳男性で, 主訴は右頬部の腫脹. 勤務先の健康診査で内科医より同部の腫脹を指摘され, 当科を紹介された. 右頬部に大きさ40×30×10mmの境界明瞭な弾性軟, 可動性のある腫瘤を認めた. 臨床診断を右頬部良性腫瘍とし, 腫瘍摘出術を施行した. 病理組織学的には, 紡錘形の線維芽細胞様腫瘍細胞に密な膠原線維が混在しており, さまざまな太さの血管が多数みられ, 免疫組織化学的染色では, CD34, ビメンチン, bc1-2が陽性であった. 孤立性線維性腫瘍の診断には, 免疫組織化学的染色が有用であり, とくに電顕を用いた超微形態の観察は, 血管周皮腫との鑑別に有用であった. 術後1年3か月の現在, 再発はなく経過良好である.
ISSN:0029-0297