21.嚢胞様病態を呈した耳下腺多形性腺腫の1例

嚢胞様病態を呈した耳下腺多形性腺腫の1例を経験したため報告した. 【症例】70歳, 女性で, 左耳下腺部の腫瘤を主訴に来院した. 初診時, 左耳下腺部に38×37mmの境界明瞭な腫瘤を認めた. 圧痛, 自発痛ともになく, 顔面神経麻痺も認めず, US所見では境界明瞭, 内部は均一な微細顆粒状, 底面エコ-は明瞭で, 後方エコーの増強を呈した. MRI所見ではT1, T2強調画像, 脂肪抑制像いずれも高信号を示した. 耳下腺嚢胞の疑いの臨床診断にて全身麻酔下に病変摘出術を施行した. 腫瘤は被膜様組織で囲まれ, 表面は平滑, 割面は嚢胞様を呈し, 一部に壁の肥厚を認めた. 同部の術中迅速診断にて多...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (4), p.217-217
Hauptverfasser: 間藤隆紀, 加來慶久, 河野憲司, 阿南大作, 平野公彦, 松本有史, 古川雅英, 高橋喜浩, 荒井千春, 柳澤繁孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:嚢胞様病態を呈した耳下腺多形性腺腫の1例を経験したため報告した. 【症例】70歳, 女性で, 左耳下腺部の腫瘤を主訴に来院した. 初診時, 左耳下腺部に38×37mmの境界明瞭な腫瘤を認めた. 圧痛, 自発痛ともになく, 顔面神経麻痺も認めず, US所見では境界明瞭, 内部は均一な微細顆粒状, 底面エコ-は明瞭で, 後方エコーの増強を呈した. MRI所見ではT1, T2強調画像, 脂肪抑制像いずれも高信号を示した. 耳下腺嚢胞の疑いの臨床診断にて全身麻酔下に病変摘出術を施行した. 腫瘤は被膜様組織で囲まれ, 表面は平滑, 割面は嚢胞様を呈し, 一部に壁の肥厚を認めた. 同部の術中迅速診断にて多形性腺腫との診断を得た. 腫瘍内部に小嚢胞を散見し, 本病変の嚢胞腔は腫瘍腺管の拡張により, 二次的に形成されたものと考えた. 術後2年6か月経過し, 再発は認めていない. 【結語】耳下腺に生じた嚢胞様病変の鑑別診断には腫瘍性病変の嚢胞化を含める必要があると考える.
ISSN:0029-0297