20,口腔悪性腫瘍に対する頸部郭清とリンパ節転移に関する臨床統計的検討

1999年5月からの3年6か月間に当科および関連施設にて経験した口腔癌患者のうち頸部郭清術を施行した32症例(郭清側, 40側)を対象として頸部郭清の適応状況とリンパ節転移の実態について比較検討し, 以下の結論を得た. 1. 郭清術式は根治的頸部郭清が8側, 機能的頸部郭清が32側を占めていた. また, 治療的頸部郭清は27側, 予防的頸部郭清は13側であった. 2. 頸部転移は患側のレベルI, II, IIIを合計すると67.2%を占めていたが, 患側のレベルIV, Vも20.7%に, 対側への転移も8.6%に認められた. 3. 転移陽性症例における1郭清側あたりのリンパ節転移数は治療的頸部...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (3), p.150-150
Hauptverfasser: 堀智一, 加賀谷雅之, 名倉功, 田中章夫, 長谷川義道, 重松久夫, 鈴木正二, 坂下英明, 草間薫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:1999年5月からの3年6か月間に当科および関連施設にて経験した口腔癌患者のうち頸部郭清術を施行した32症例(郭清側, 40側)を対象として頸部郭清の適応状況とリンパ節転移の実態について比較検討し, 以下の結論を得た. 1. 郭清術式は根治的頸部郭清が8側, 機能的頸部郭清が32側を占めていた. また, 治療的頸部郭清は27側, 予防的頸部郭清は13側であった. 2. 頸部転移は患側のレベルI, II, IIIを合計すると67.2%を占めていたが, 患側のレベルIV, Vも20.7%に, 対側への転移も8.6%に認められた. 3. 転移陽性症例における1郭清側あたりのリンパ節転移数は治療的頸部郭清で平均2.9個, 予防的頸部郭清で平均1. 0個であった. 4. 40側全体としての頸部リンパ節転移に関する正診率は72.5%であり, false positiveは33.3%, false negativeは15.4%であった. 5. 両側頸部リンパ節転移症例, 節外浸潤症例, 転移リンパ節数3個以上の症例では予後不良であった. 質問 防衛医大, 歯口外 佐藤泰則 頸部郭清術の術式の適応はどのように決められますか. 回答 明海大, 歯, 口外2 堀智 「No症例に対する予防的郭清の適応基準は」との御質問ですが, 当科では腫瘍の大きさ, 部位ならびに組織型を配慮してハイリスク, Noと考えられる症例に対して適応を検討しております.
ISSN:0029-0297