6.顎関節部に生じた関節軟骨石灰化症(偽痛風)の1例
偽痛風は関節軟骨石灰化症ともよばれ, 関節部にピロリン酸カルシウムが沈着し関節痛を生じる疾患である. 今回, われわれは, 顎関節部に生じた本症を経験したので報告した. 患者:68歳, 男性. 初診:平成13年10月30日. 主訴:左顎関節部痛. 現病歴:平成13年10月22日, 近歯科でのX線検査にて下顎頭腫瘍が疑われ当科紹介. 現症:全身所見;異常なし. 局所所見;顎関節部腫脹, 開口障害なし. 運動痛あり. 咬合状態異常なし. X線像:左右顎関節部に点状の石灰化像を認めた. 処置および経過:各種検査で確定診断に至らず, 全身麻酔下に左顎関節部の生検施行. 多量の石灰化物を認め, 下顎頭を...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (3), p.144-145 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 偽痛風は関節軟骨石灰化症ともよばれ, 関節部にピロリン酸カルシウムが沈着し関節痛を生じる疾患である. 今回, われわれは, 顎関節部に生じた本症を経験したので報告した. 患者:68歳, 男性. 初診:平成13年10月30日. 主訴:左顎関節部痛. 現病歴:平成13年10月22日, 近歯科でのX線検査にて下顎頭腫瘍が疑われ当科紹介. 現症:全身所見;異常なし. 局所所見;顎関節部腫脹, 開口障害なし. 運動痛あり. 咬合状態異常なし. X線像:左右顎関節部に点状の石灰化像を認めた. 処置および経過:各種検査で確定診断に至らず, 全身麻酔下に左顎関節部の生検施行. 多量の石灰化物を認め, 下顎頭を切除. 痛風も疑われたが, 尿酸値は正常であったため, 偽痛風の診断を得た. 術後1年の現在, 左顎関節部に石灰化物を認めるが, 咬合状態は良好, 疼痛はなく, 経過観察中である. 質問 日本大, 歯, 2口外 佐藤廣 患者は現在尿酸値は正常値と考えられますが, 以前に痛風の治療薬の服用はしなかったのか. 回答 群馬大, 医, 口外 石原宏一 特に服用はしておりませんでした. 質問 東京歯大, 1口外 野村武史 病変が比較的顎関節部に限局しているようであるが, 顎下部アプローチよりも側頭アプローチの方が術野が明示できたのではないか. 回答 群馬大, 医, 口外 石原宏一 側頭部切開ではなく, 顎下部切開にてOpe施行したのは, 病変が下顎頭内側であったため, 顎下部切開を選択致しました. 追加 群馬大, 医, 口外 根岸明秀 今回は, 悪性腫瘍を疑ったため, 全麻下に生検を行ったが, 術中病理にて, 炎症の診断を得たため, 拡大切除を行わず, その後も経過観察している. |
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ISSN: | 0029-0297 |