口腔悪性腫瘍患者の自己血貯血におけるエリスロポエチンの臨床評価
口腔外科領域における自己血輸血については, 顎変形症患者での報告はみられるが, 悪性腫瘍患者での報告は少ない1-7). 貯血式自己血輸血では, 3週間以内に目的とする自己血を貯血しなければならず, 従来800ml以上の貯血は困難であった8, 9). エリスロポエチン(EPO)は, 赤血球系前駆細胞の分化, 増殖を促進する作用を有し, 主に腎臓で産生される糖蛋白である. 近年, 遺伝子組換えヒトEPOの大量生産が可能となり, EPOの産生が低下した透析施行中の腎性貧血の改善に利用されている8). また, これを用いて整形外科や心臓外科領域において, 自己血採血後のヘモグロビン(Hb)濃度の低下を...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003-05, Vol.52 (3), p.124-133 |
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Hauptverfasser: | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 口腔外科領域における自己血輸血については, 顎変形症患者での報告はみられるが, 悪性腫瘍患者での報告は少ない1-7). 貯血式自己血輸血では, 3週間以内に目的とする自己血を貯血しなければならず, 従来800ml以上の貯血は困難であった8, 9). エリスロポエチン(EPO)は, 赤血球系前駆細胞の分化, 増殖を促進する作用を有し, 主に腎臓で産生される糖蛋白である. 近年, 遺伝子組換えヒトEPOの大量生産が可能となり, EPOの産生が低下した透析施行中の腎性貧血の改善に利用されている8). また, これを用いて整形外科や心臓外科領域において, 自己血採血後のヘモグロビン(Hb)濃度の低下を抑制し, 同種血輸血の軽減, 回避に有用であることが認められている8, 10). 今回, われわれは口腔外科領域の悪性腫瘍患者の自己血貯血に際して, 遺伝子組換えヒトEPOのひとつであるエポエチンアルファ(rHuEPO)の有効性, 安全性を検討する目的で多施設において調査, 研究を行った. |
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ISSN: | 0029-0297 |
DOI: | 10.11277/stomatology1952.52.124 |