B-19.下顎小臼歯部に両側性にみられた含歯性嚢胞の1例
含歯性嚢胞は, 通常片側性に発生, 両側性にみられることは稀とされている. 今回われわれは, 下顎小臼歯部に両側性にみられた含歯性嚢胞の1例を経験したので概要を報告した. 患者は10歳女児で, 左側頬部の腫脹を主訴に来科した. X-P, CT上, 両側下顎第2乳臼歯部に第2小臼歯歯胚を含む, 境界明瞭な嚢胞様透過像を認めた. 消炎処置後, 嚢胞摘出術を施行, 術後1年半程経過した現在, 経過良好である. 両側性に発現したとの報告は少ないものの, その多くが左右対称であり, また下顎第2小臼歯部での報告が大半を占めていた. その要因として, 歯胚形成期が出生後であることから防御機能が弱いため,...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.105-106 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 含歯性嚢胞は, 通常片側性に発生, 両側性にみられることは稀とされている. 今回われわれは, 下顎小臼歯部に両側性にみられた含歯性嚢胞の1例を経験したので概要を報告した. 患者は10歳女児で, 左側頬部の腫脹を主訴に来科した. X-P, CT上, 両側下顎第2乳臼歯部に第2小臼歯歯胚を含む, 境界明瞭な嚢胞様透過像を認めた. 消炎処置後, 嚢胞摘出術を施行, 術後1年半程経過した現在, 経過良好である. 両側性に発現したとの報告は少ないものの, その多くが左右対称であり, また下顎第2小臼歯部での報告が大半を占めていた. その要因として, 歯胚形成期が出生後であることから防御機能が弱いため, 内外的刺激を受けやすいこと, 歯冠完成期に隣接する第1大臼歯が萌出するため, それに伴う影響が加わりやすいこと, 萌出時期が遅く, 先行乳歯からの慢性的な炎症性刺激を長期にわたり受けやすいことなどが考えられた. 質問 三重大医口外 乾眞登可 基底細胞母斑症候群との鑑別については如何でしたでしょうか. 回答 さくら病院歯口外 服部恵奈 本症例でもその症候群を疑い精査を行ったが, その兆候は認めませんでした. 質問 岐阜大医口腔病態 土井田誠 症候群との関連について言及した文献(例)はありませんでしたか. 回答 さくら病院歯口外 服部恵奈 過去の報告でも数例検索を行っているが, すべて兆候は認めなかったと報告しております. 質問 金沢医大口腔科学 佐藤淳 第2小臼歯と嚢胞の関係はどうであったか. 回答 さくら病院歯口外 服部恵奈 術中所見では第2小臼歯歯冠を囲んで嚢胞を認めました. |
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ISSN: | 0029-0297 |