B-6.口蓋骨中心性に発生したと思われる多形性腺腫の1例
多形性腺腫は唾液腺腫瘍のなかでも最も発現頻度が高く, 大唾液腺では耳下腺に, 小唾液腺では口蓋に好発するが, 骨中心性に発生するのはきわめてまれである. 今回われわれは口蓋骨中心性に発生したと思われる多形性腺腫の1例を経験したので報告した. 症例:21歳, 男性. 主訴:右側日蓋の腫脹. 現病歴:2002年5月上旬, 右上顎智歯の疼痛を主訴に近歯科医院受診した際, 右口蓋部の腫瘤を指摘され, 2002年6月19日当院当科受診. 初診時右口蓋部には20×27mmの弾性軟, 中心部はやや弾性硬の腫瘤を触知した. CT画像上, 20×10×10mmの腫瘤性病変を認め, 周囲には突起状の骨を一層認めた...
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Veröffentlicht in: | 日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.101-101 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 多形性腺腫は唾液腺腫瘍のなかでも最も発現頻度が高く, 大唾液腺では耳下腺に, 小唾液腺では口蓋に好発するが, 骨中心性に発生するのはきわめてまれである. 今回われわれは口蓋骨中心性に発生したと思われる多形性腺腫の1例を経験したので報告した. 症例:21歳, 男性. 主訴:右側日蓋の腫脹. 現病歴:2002年5月上旬, 右上顎智歯の疼痛を主訴に近歯科医院受診した際, 右口蓋部の腫瘤を指摘され, 2002年6月19日当院当科受診. 初診時右口蓋部には20×27mmの弾性軟, 中心部はやや弾性硬の腫瘤を触知した. CT画像上, 20×10×10mmの腫瘤性病変を認め, 周囲には突起状の骨を一層認めた. 2002年6月27日腫瘍摘出術を施行した. 術中, 骨が突起状に腫瘍周囲に隆起しており, 病理組織学的診断は多形性腺腫であった. 画像, 術中所見より口蓋骨中心性に発生した可能性が示唆された. 質問 富山医薬大医歯口外 古田勲 口蓋骨中心性とされるが, 腫瘍は, 完全に骨組織に被われているのか. 回答 浜松医大歯口外 太田佳子 術前CT所見と術中所見より腫瘍周囲の4/5の骨が突起状に覆っていたことより骨中心性と診断しました. 一部骨でおおわれていない部分もありましたが, ほぼ完全におおわれていました. 質問 三重大医口外 田川俊郎 1. 骨内原発とした根拠はアンダーマイニング状であったことだけでしょうか. 2. 骨面部の処理はどの様にされましたか. 回答 浜松医大歯口外 太田佳子 病理組織像は多形性腺腫で悪性像は認められませんでした. 術前CT, 術中所見から骨への浸潤は認められなかったため, 鈍的に剥離し, 周囲組織と一塊として除去しました. |
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ISSN: | 0029-0297 |