B-3.正中菱形舌炎の中央部に発生した穎粒細胞腫の1例

穎粒細胞腫は細胞質に多数の穎粒状構造物を含む細胞からなる腫瘍である. 今回われわれは, 正中菱形舌炎の中央部に発生し病理学的に癌との鑑別診断に苦慮した穎粒細胞腫の一例を経験したので報告した. 症例:45歳, 男性. 初診:平成14年4月11日. 主訴:舌の疼痛. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:4日前より舌の疼痛を自覚. 現症:有郭乳頭前方部に40×10mm大の赤色楕円形で平滑な部分が認められ, その中央部に有茎性で約5mm大の球形腫瘤が認められ, 表面は粗造で白色を帯び弾性硬を呈していた. 臨床診断:正中菱形舌炎, 舌良性腫瘍の疑い. 処置経過:4月18日外来局麻下にて全摘生検術施行, 病理...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.99-100
Hauptverfasser: 天野光専, 長縄吉幸, 各務尚之, 棚橋稚香子, 加納欣徳
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:穎粒細胞腫は細胞質に多数の穎粒状構造物を含む細胞からなる腫瘍である. 今回われわれは, 正中菱形舌炎の中央部に発生し病理学的に癌との鑑別診断に苦慮した穎粒細胞腫の一例を経験したので報告した. 症例:45歳, 男性. 初診:平成14年4月11日. 主訴:舌の疼痛. 既往歴:特記事項なし. 現病歴:4日前より舌の疼痛を自覚. 現症:有郭乳頭前方部に40×10mm大の赤色楕円形で平滑な部分が認められ, その中央部に有茎性で約5mm大の球形腫瘤が認められ, 表面は粗造で白色を帯び弾性硬を呈していた. 臨床診断:正中菱形舌炎, 舌良性腫瘍の疑い. 処置経過:4月18日外来局麻下にて全摘生検術施行, 病理組織診断にて扁平上皮癌も否定できないとの返答であったが, 後日免疫組織染色を含めて穎粒細胞腫の診断を得た. 現在まで慎重な経過観察を行っている. 病理所見:間質側には穎粒状の細胞質と類円形核を持つ細胞の増生が認められる. 質問 三重大医口外 田川俊郎 本舌炎と穎粒細胞腫は関連性があると考えられますか. 回答 大垣市民病院歯口外 天野光専 今回の症例では, 全く別ものとして考えられます.
ISSN:0029-0297