A-11.超音波断層法による口腔扁平上皮癌患者の頸部リンパ節評価

超音波断層法(US)は, 検査手技が簡便で患者への負担も少ないことから, 頸部リンパ節転移の評価に応用されつつある. 今回演者らはUSとCTによる頸部リンパ節の術前評価と郭清したリンパ節の病理組織所見との比較を行うとともに, 頸部リンパ節転移の診断に際してUSの正診率についての検討を行った. 対象は過去10年間に口腔扁平上皮癌で頸部郭清術を行い, 術後定期的な経過観察が可能であった25症例とした. 術前のリンパ節の評価は, USでは内部変化, サイズ, および血流変化, CTではサイズと内部変化について行った. 病理組織の分類には, 浸潤様式分類(山本小浜)とWHO組織型分類を用いた. その結...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.93-94
Hauptverfasser: 田中三貴子, 上松隆司, 高橋昌宏, 倉雄宏, 古澤清文, 木村晃大, 長谷川博雅, 守屋久見子, 平瀬雄一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:超音波断層法(US)は, 検査手技が簡便で患者への負担も少ないことから, 頸部リンパ節転移の評価に応用されつつある. 今回演者らはUSとCTによる頸部リンパ節の術前評価と郭清したリンパ節の病理組織所見との比較を行うとともに, 頸部リンパ節転移の診断に際してUSの正診率についての検討を行った. 対象は過去10年間に口腔扁平上皮癌で頸部郭清術を行い, 術後定期的な経過観察が可能であった25症例とした. 術前のリンパ節の評価は, USでは内部変化, サイズ, および血流変化, CTではサイズと内部変化について行った. 病理組織の分類には, 浸潤様式分類(山本小浜)とWHO組織型分類を用いた. その結果, 両分類ともUSで内部不均一を示す所見が多かった. USを併用することによる頸部リンパ節転移の正診率は92%であり, 後発転移癌では, より早期に検出される傾向があった. 質問 藤田保衛大歯口外 佐藤公治 1. CT, USそれぞれの転移(+)とする診断基準について御教示下さい. 2. false-positiveの割合についてはいかがでしょうか. 回答 松本歯大口外 田中三貴子 基準はスライドに示すとおりです. 両者(+)で病理(-)の症例はありませんでした. 質問 浜松医大歯口外 橋本賢二 結論でCTに加えてUSを行う……とありましたが, USの正診率92%, CTの正診率65%であれば, USを優先させた方がよいと思うのですが, USは口腔外科で自前でやっておられるのか, 検査部などに依頼されているなどで簡単にやれないのでしょうか. 回答 松本歯大口外 田中三貴子 当科で行っています. また, 放射線専門医と複数で行っております. 追加 愛知学院大歯歯放 有地榮一郎 1. 正診率の検討についてはsensitivity, specificityを計算すると良い. その前に画像による描出率を示す必要がある. 2. CT, USの組み合せ方法は各施設の装置使用状況によって異なるが, CTをみながらUS検査をすることで, 見落しが少くなると思う. 回答 松本歯大口外 田中三貴子 今後の検討課題とさせていただきます.
ISSN:0029-0297