S-2.顎関節症患者の滑膜組織における血管新生の意義と血管新生因子の関与について

【緒言】顎関節症患者の滑膜組織は血管新生等の炎症性変化を伴う. 強力な血管新生能を有する2つの増殖因子(Fibroblast Growth Factor-2:FGF-2, Vascular Endothelial Growth Factor:VEGF)ならびにその膜受容体(FGFR-1, VEGFR-1/Flt.1)の滑膜組織内の発現と組織学的血管密度との関連を免疫染色学的手法を用いて検討した. 【方法】対象は疼痛を有する顎関節症IIIIV型のうち, 保存療法が奏功せず, 鏡視下手術を行い, その際に滑膜生検を施行した41例43関節とした(男性6例, 女性35例, 平均年齢42歳). コントロ...

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Veröffentlicht in:日本口腔科学会雑誌 2003, Vol.52 (2), p.88-89
Hauptverfasser: 佐藤淳, 鈴木寿和, 西村正彰, 金山景錫, 瀬上夏樹
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Zusammenfassung:【緒言】顎関節症患者の滑膜組織は血管新生等の炎症性変化を伴う. 強力な血管新生能を有する2つの増殖因子(Fibroblast Growth Factor-2:FGF-2, Vascular Endothelial Growth Factor:VEGF)ならびにその膜受容体(FGFR-1, VEGFR-1/Flt.1)の滑膜組織内の発現と組織学的血管密度との関連を免疫染色学的手法を用いて検討した. 【方法】対象は疼痛を有する顎関節症IIIIV型のうち, 保存療法が奏功せず, 鏡視下手術を行い, その際に滑膜生検を施行した41例43関節とした(男性6例, 女性35例, 平均年齢42歳). コントロールとして, 関節疼痛のない習慣性顎関節脱臼症例のうち, 鏡視下結節形成術を施行した5例工7関節を用いた(男性2例, 女性3例, 平均年齢40歳). 生検組織を抗FGF-2抗体, 抗FGFR-1抗体, 抗VEGF抗体, 抗Flt-1抗体を用いて免疫染色し, それぞれの症例の染色陽性細胞の割合を算出した. 組織学的血管密度は血管内皮細胞マーカーである抗CD34抗体で免疫染色を行い, Weidner(1993)の方法に準じて, 光学顕微鏡下の2視野(200倍)の血管数をカウントして算出した. 【結果】抗FGF-2抗体, 抗FGFR-1抗体, 抗VEGF抗体, 抗Flt-1抗体の陽性細胞の割合は, いずれも顎関節症例がコントロール例に比較して有意に高かった(FGF-2:P=0. 006, FGFR-1:P
ISSN:0029-0297