金沢市 (石川県, 北陸) における感染症媒介蚊とアルボウイルスのモニタリング

「緒言」 蚊が媒介するウイルス性感染症には, デング熱, チクングニア熱, 日本脳炎等がある. このうちデング熱は, ヒトスジシマカAedes albopictus (Skuse)等の蚊の刺咬によりデングウイルスに感染することで引き起こされる発熱性疾患である. 日本では, 戦後約70年間流行がなかったために, 自治体による防蚊対策がほとんど整備されていなかったが(沢辺, 2015), 2014年にデング熱の国内感染事例が東京都を中心に発生した. これを受け, 厚生労働省は2015年にデング熱等の発生及びまん延防止を図ることを目的に, 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針を策定し, 各自治体に...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2024-03, Vol.75 (1), p.5-11
Hauptverfasser: 中澤柾哉, 成相絵里, 中村幸子, 倉本早苗
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」 蚊が媒介するウイルス性感染症には, デング熱, チクングニア熱, 日本脳炎等がある. このうちデング熱は, ヒトスジシマカAedes albopictus (Skuse)等の蚊の刺咬によりデングウイルスに感染することで引き起こされる発熱性疾患である. 日本では, 戦後約70年間流行がなかったために, 自治体による防蚊対策がほとんど整備されていなかったが(沢辺, 2015), 2014年にデング熱の国内感染事例が東京都を中心に発生した. これを受け, 厚生労働省は2015年にデング熱等の発生及びまん延防止を図ることを目的に, 蚊媒介感染症に関する特定感染症予防指針を策定し, 各自治体においても媒介蚊に対する調査, 対策が求められている. また, 蚊媒介感染症のうち日本脳炎は, コガタアカイエカCulex tritaeniorhynchus (Giles)等の刺咬により日本脳炎ウイルスに感染することで引き起こされる重篤な中枢神経疾患である.
ISSN:0424-7086