2019~2021年の国内におけるネッタイトコジラミおよびトコジラミの生息調査
「はじめに」トコジラミCimex lectularius Linnaeusとネッタイトコジラミ C. hemipterus (Fabricius) は, ヒトに吸血被害を引き起こす家屋害虫である. ネッタイトコジラミはtropical bedbugとも呼ばれ, 世界の熱帯, 亜熱帯地方に広く分布する種類である (大森, 1935). トコジラミの防除に関しては, ピレスロイド系殺虫剤に対する抵抗性は確認されているが, 有機リン系やカーバメート系の殺虫剤では感受性系統とほぼ同様の殺虫効果が認められている (武藤,2013). しかし, ネッタイトコジラミに関しては, 東南アジアの発生地で有機リン...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 2023/12/25, Vol.74(4), pp.157-160 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」トコジラミCimex lectularius Linnaeusとネッタイトコジラミ C. hemipterus (Fabricius) は, ヒトに吸血被害を引き起こす家屋害虫である. ネッタイトコジラミはtropical bedbugとも呼ばれ, 世界の熱帯, 亜熱帯地方に広く分布する種類である (大森, 1935). トコジラミの防除に関しては, ピレスロイド系殺虫剤に対する抵抗性は確認されているが, 有機リン系やカーバメート系の殺虫剤では感受性系統とほぼ同様の殺虫効果が認められている (武藤,2013). しかし, ネッタイトコジラミに関しては, 東南アジアの発生地で有機リン剤抵抗性が報告されており (Tawatsin et al., 2011), 我が国に侵入した場合, 防除が困難になることが考えられる (小松, 2016). ネッタイトコジラミの日本での発生は, 1900年代初頭に沖縄県那覇市の報告と (大森, 1935), 兵庫県神戸市の港湾地域での貿易が原因で侵入した事例だけであった (上村, 1974). |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.74.157 |