福岡県内のマダニ分布調査とSFTS患者発生要因の検討

「緒言」マダニは様々な感染症を媒介する衛生害虫である. マダニが媒介する感染症には日本紅斑熱やライム病, ダニ媒介性脳炎, 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)などが知られており, これらはダニ媒介感染症と呼ばれている. このうち, SFTSは2011年に中国で初めて報告されたSFTSウイルス(SFTSV)を病原体とする感染症である(Yu et al., 2011). SFTSVはブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されていたが, 2018年に国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって分類が変更された....

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2021/06/25, Vol.72(2), pp.75-79
Hauptverfasser: 小林, 孝行, 芦塚, 由紀, 中村, 麻子, 上田, 紗織, 吉冨, 秀亮, 錦谷, まりこ
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」マダニは様々な感染症を媒介する衛生害虫である. マダニが媒介する感染症には日本紅斑熱やライム病, ダニ媒介性脳炎, 重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)などが知られており, これらはダニ媒介感染症と呼ばれている. このうち, SFTSは2011年に中国で初めて報告されたSFTSウイルス(SFTSV)を病原体とする感染症である(Yu et al., 2011). SFTSVはブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されていたが, 2018年に国際ウイルス分類委員会(ICTV)によって分類が変更された. これにより, フェニュイウイルス科バンヤンウイルス属のフアイヤンシャン・バンヤンウイルスとなったが, 本稿では, これまで広く使われてきたSFTSVの呼称を用いる. SFTSの主な症状は高熱, 消化器症状(嘔気, 嘔吐, 下痢, 腹痛など)であり, 頭痛や筋肉痛, 神経症状(意識障害, 痙攣)等が現れることもある.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.72.75