2019年に新宿御苑で開催されたデング熱媒介蚊駆除訓練の背景と概要

「1. 緒言」我が国は2014年に, 約70年ぶりのデング熱国内流行を経験している. 東京都代々木公園での初感染に端を発した一連のデング熱流行では160名以上の発症者が報告された (国立感染症研究所, 2015b ; Kutsuna et al., 2015). 政府が掲げた観光立国化政策により訪日外国人客数は年々増加傾向にあり, 2019年は2014年のおよそ2.4倍に達した (日本政府観光局, 2020). 蚊媒介感染症の輸入症例に着目すると, デング熱は年ごとに増減があるものの, 長期的には増加傾向が認められ, 2019年は初めて400名を超えた (最終的な輸入症例数は461名, 国立感...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2020/06/25, Vol.71(2), pp.67-71
Hauptverfasser: 葛西, 真治, 宇賀神, 知則, 清水, 一郎, 武藤, 敦彦, 佐々木, 均, 池田, 文明, 澤邉, 京子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. 緒言」我が国は2014年に, 約70年ぶりのデング熱国内流行を経験している. 東京都代々木公園での初感染に端を発した一連のデング熱流行では160名以上の発症者が報告された (国立感染症研究所, 2015b ; Kutsuna et al., 2015). 政府が掲げた観光立国化政策により訪日外国人客数は年々増加傾向にあり, 2019年は2014年のおよそ2.4倍に達した (日本政府観光局, 2020). 蚊媒介感染症の輸入症例に着目すると, デング熱は年ごとに増減があるものの, 長期的には増加傾向が認められ, 2019年は初めて400名を超えた (最終的な輸入症例数は461名, 国立感染症研究所, 2020a). また, デング熱と同じくヒトスジシマカによって媒介されるチクングニア熱については, ここ10年間の輸入症例数は10名前後で推移してきたが, 2019年は49名へと急増した (国立感染症研究所, 2020a). 東京2020オリンピック・パラリンピックを迎える年はさらに多くの訪日客が見込まれ, 人とともにこれら蚊媒介病原ウイルスの流入が懸念される.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.71.67