CDC型ミニュチュアライトトラップによるコガタアカイエカ捕獲個体数とトラップ周囲の土地利用との関連性
「はじめに」 日本脳炎媒介蚊であるコガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus Giles)の発生動向調査は, 1960年代から1980年代を中心に日本各地で数多く取り組まれた(松崎, 1990;渡辺ら, 1990;中村ら, 1992;中村ら, 1999). これらは, 豚や牛などの畜舎に設置したライトトラップによって実施され, 主として捕獲個体数の年次推移ならびに季節消長を追跡するものであった. 先行する研究では, 日本脳炎患者数やコガタアカイエカの発生数に影響を与える環境条件として, 水田面積・水田管理や家畜飼養農家数・飼育頭数を想定し, 県や市区町村を単位とする統計か...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 2011-03, Vol.62 (1), p.13-22 |
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Hauptverfasser: | , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 日本脳炎媒介蚊であるコガタアカイエカ(Culex tritaeniorhynchus Giles)の発生動向調査は, 1960年代から1980年代を中心に日本各地で数多く取り組まれた(松崎, 1990;渡辺ら, 1990;中村ら, 1992;中村ら, 1999). これらは, 豚や牛などの畜舎に設置したライトトラップによって実施され, 主として捕獲個体数の年次推移ならびに季節消長を追跡するものであった. 先行する研究では, 日本脳炎患者数やコガタアカイエカの発生数に影響を与える環境条件として, 水田面積・水田管理や家畜飼養農家数・飼育頭数を想定し, 県や市区町村を単位とする統計から, これらの環境条件との相関関係が検討されてきた(上村, 松田, 1972;上村, 1998;中村, 1988;中村ら, 1992;渡辺ら, 1990). しかし, これらの研究においては, 調査畜舎間に捕獲個体数の明確な違いが認められていたものの, その要因の検討は行われず, また畜舎に限定された調査であったため, 媒介蚊捕獲個体数と土地利用構成との地域的な関連性は限定的にしか把握されてこなかった. |
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ISSN: | 0424-7086 |