7 Achyranthes japonica抽出液のマムシ亜科蛇毒中和機構(第57日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)

Achyranthes japonica(イノコズチ)の葉の袖出液はマムシ毒を中和する作用があると言い伝えられてきた. そこで, イノコズチによるハブ毒に対する抗毒素作用, 抗致死作用, 抗出血作用, 鎮痛作用を動物実験で確かめた. また, ハブ毒に対するイノコズチの中和作用機序を調べるために, 二次元電気泳動を行い, イノコズチのタンパク成分がタンパク質であるハブ毒をペプチドに分解して中和する事を明らかにしたので報告する. (1)イノコズチ袖出液の調整:イノコズチの新鮮な葉を細断してすり潰し, ガーゼに包んで手動ジューサーで濾過し, 濾過液は濾紙ホワットマンNo. 1で再濾過した. この濾過...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2008/06/15, Vol.59(2), pp.124
Hauptverfasser: 河野, 亜沙美, 高野, 吉輝, 米盛, 智子, 高野, 優美, 水上, 惟文
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:Achyranthes japonica(イノコズチ)の葉の袖出液はマムシ毒を中和する作用があると言い伝えられてきた. そこで, イノコズチによるハブ毒に対する抗毒素作用, 抗致死作用, 抗出血作用, 鎮痛作用を動物実験で確かめた. また, ハブ毒に対するイノコズチの中和作用機序を調べるために, 二次元電気泳動を行い, イノコズチのタンパク成分がタンパク質であるハブ毒をペプチドに分解して中和する事を明らかにしたので報告する. (1)イノコズチ袖出液の調整:イノコズチの新鮮な葉を細断してすり潰し, ガーゼに包んで手動ジューサーで濾過し, 濾過液は濾紙ホワットマンNo. 1で再濾過した. この濾過液を冷却高速遠心器で, 5000rpm, 20mins, 5℃で遠心沈殿した. 遠沈上清は凍結乾燥し, イノコズチ粉来とした. 遠沈上清の最上層の志望層は凍結乾燥前に除去した. (2)動物:抗致死作用, 鎮痛作用は雄性成熟ddYマウスを, 抗出血作用は雄性成熟日本白色ウサギを用いた. (3)投与:希釈したハブ毒をそれぞれマウスに皮下注射し, 48時間後の生存率を調べ50%死亡時のハブ毒量をLd50とした. ハブ毒・イノコズチ混合液をマウスに皮下注射し, 48時間後の生存率を調べ50%死亡時のハブ毒量をED50とした. 抗出血作用は, 希釈したハブ毒とハブ毒・イノコズチ混合液をウサギ背部皮膚に皮内注射し, 24時間後の出血斑の大きさを測定することにより調べた. 二次元電気泳動よアトー社の装置を用い, 一次元目が等電点電気泳動, 二次元目がゲル濾過を行った. イノコズチはハブ毒の致死活性を43.8%減少させた. ハブ毒1.0mg/kg投与時の出血斑の大きさはイノコズチ50mg/kg添加により半減した. 鎮痛効果もイノコズチの濃度依存的に増加した. ハブ毒, ヒメハブ毒のタンパク質ベルトは, 蛇毒・イノコズチ混和液では消失することから, 15~84KDのイノコズチ・タンパク質が蛇毒のタンパク質を分解もしくは変成させたと考えられる. 従って, イノコズチはマムシ亜科蛇毒に対しては非特異的な中和反応があることが確かめられた.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.59.124_1