1 Rapid Determination of Viral RNA Sequence (RDV)法による蚊媒介性RNAウイルスの検出(第57日本衛生動物学会南日本支部大会講演要旨)
蚊が媒介するRNAウイルスゲノムの検出法として, ウイルスの遺伝子情報に基づいた特異的Primerを用いるRT-PCR法などがある, しかし. この方法ではプライマーが特異的であるため, 未知のウイルスゲノムを検出することは困難である. 我々は, 全遺伝子を均等に増幅する方法および独自に設計したプライマーを用いて, 未知のRNAウイルスを網羅的に検出するRapid determination of RNA virus(RDV)法を確立した. RDV法を用いて, デングウイルスに感染したC6/36蚊培養細胞の上清を材料に, デングウイルスゲノムが検出可能なことを昨年の本大会て報告した. 今回は,...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 2008/06/15, Vol.59(2), pp.122 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 蚊が媒介するRNAウイルスゲノムの検出法として, ウイルスの遺伝子情報に基づいた特異的Primerを用いるRT-PCR法などがある, しかし. この方法ではプライマーが特異的であるため, 未知のウイルスゲノムを検出することは困難である. 我々は, 全遺伝子を均等に増幅する方法および独自に設計したプライマーを用いて, 未知のRNAウイルスを網羅的に検出するRapid determination of RNA virus(RDV)法を確立した. RDV法を用いて, デングウイルスに感染したC6/36蚊培養細胞の上清を材料に, デングウイルスゲノムが検出可能なことを昨年の本大会て報告した. 今回は, タイ国のデング患者宅で採集したネッタイシマカを用いてRDV法による未知のRNAウイルスゲノムの検出を試みた. ネッタイシマカ93個体の各々から無菌的なホモジネイトを準備して, C6/36細胞とともに8日間培養し, 未知ウイルスの増幅を試みた. その後, 細胞変性効果が認められた19のホモジネイト由来の培養上清を選び, それらからRNAを個別に精製した後, さらにそれらを6群にまとめた. 6群の各々についてRDV法を行い, 合計86個のcDNA増幅産物を得た. これらの塩基配列を決定したところ, 6群の全てから, Dengue virus Type 4(DENV4)と高い相同性を持つ塩基配列が認められた. さらにその内の3群から, Cell fusing agent virus(CFAV)由来の配列が確認された. CFAVを含む3群中の1群についてはDENV4とCFAVのゲノムを確認するために, 個々のホモジネイト培養上清由来のRNAを用いて, 両ウイルスに特異的なプライマーを用いたRT-PCR法を実施した. その結果, 一個体の蚊から両ウイルスのゲノムが検出され, デング熱流行地に生息していた蚊は両ウイルスに重複感染していたことが明らかとなった. 今回得られた結果から, RDV法は, デンク熱流行地域で採集した蚊からデングウイルスゲノムを検出できることのみならず, 未知ウイルスのゲノム検出にも有効な力法であることが示唆された. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.59.122_2 |