天然物から得られるセスキテルペンラクトン化合物の殺虫作用

天然物に由来する新たな殺虫成分探索の一貫として, 薬用植物の中から, 媒介昆虫としてのヒトスジシマカAedes albopictusと, 対照として非媒介昆虫チカニセヒゲユスリカParatanytarsus grimmiiに対する殺幼虫活性試験を行っている. すでに我々は数種の薬用植物についてヒトスジシマカに対する殺幼虫活性を検討し1), 2, 3の薬用植物が比較的強い殺虫活性を示し, そのうち多年生植物オオグルマInula heleniumの根に含まれるセスキテルペンラクトン化合物(alantolactone, isoalantoladone)が強い殺幼虫活性を示すことを報告した. 2)オオ...

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Hauptverfasser: 小西天二, 中村憲夫, 近藤繁生
Format: Tagungsbericht
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:天然物に由来する新たな殺虫成分探索の一貫として, 薬用植物の中から, 媒介昆虫としてのヒトスジシマカAedes albopictusと, 対照として非媒介昆虫チカニセヒゲユスリカParatanytarsus grimmiiに対する殺幼虫活性試験を行っている. すでに我々は数種の薬用植物についてヒトスジシマカに対する殺幼虫活性を検討し1), 2, 3の薬用植物が比較的強い殺虫活性を示し, そのうち多年生植物オオグルマInula heleniumの根に含まれるセスキテルペンラクトン化合物(alantolactone, isoalantoladone)が強い殺幼虫活性を示すことを報告した. 2)オオグルマは以前より駆虫薬としての効果が知られており, 今回オオグルマに含まれるalantolactoneとisoalantolactoneおよび同じセスキテルペンラクトン化合物に属し駆虫作用を示す天然有機化合物であるサントニンのヒトスジシマカとチカニセヒゲユスリカに対する殺幼虫活性を比較検討した. その結果, サントニンは500μg/mlの高濃度(48h)においてもヒトスジシマカに対して38.9%, 72時間後でも61.1%の致死作用しか示さず, チカニセヒゲユスリカに対してはほとんど作用を示さなかった. alantolactone, isoalantolactoneが供に100μg/ml(48h)の濃度以下でも両種の幼虫に対し強い致死活性を示すのは構造上の相違に基づくものと判断した. 1)近藤繁生et al, 第61回日本寄生虫学西日本支部大会, 第60回日本衛生動物学会西日本支部大会合同大会2005, 高知. 2)T. Konishi et al, International Conference on Biodiversity of Insects:Challenging Issues in Management and Conservation(BIMC, 2006), Coimbatore, India.
ISSN:0424-7086