10 口腔内ハエ症の一例(第59回日本衛生動物学会西日本支部大会講演要旨)
(症例)74歳, 女性. 30年前からサルコイドーシスのため加療中であった. 本年6月末両側胸水を伴う呼吸不全のため入院. 血球貪食症候群を合併しており血管内リンパ腫の診断の下, 7月初旬より化学療法を開始した. 状態悪化のため頻回の輸血と人工呼吸管理, 持続血液ろ過も施行した. 7月7日頃から口腔内に出血がみられ, 10日頃から舌, 口唇の変性~壊死が認められた. 14日口腔内で動く虫十数匹を確認し2匹の虫体を調べた結果ハエの幼虫であった咽頭骨格や後方気門等の構造からヒロズキンバエLucilia sericataの3齢幼虫と同定したヒロズキンバエは最も普通に見られる種類で現在では, 都市の中...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 2005/06/15, Vol.56(2), pp.171 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | (症例)74歳, 女性. 30年前からサルコイドーシスのため加療中であった. 本年6月末両側胸水を伴う呼吸不全のため入院. 血球貪食症候群を合併しており血管内リンパ腫の診断の下, 7月初旬より化学療法を開始した. 状態悪化のため頻回の輸血と人工呼吸管理, 持続血液ろ過も施行した. 7月7日頃から口腔内に出血がみられ, 10日頃から舌, 口唇の変性~壊死が認められた. 14日口腔内で動く虫十数匹を確認し2匹の虫体を調べた結果ハエの幼虫であった咽頭骨格や後方気門等の構造からヒロズキンバエLucilia sericataの3齢幼虫と同定したヒロズキンバエは最も普通に見られる種類で現在では, 都市の中ではイエバエよりも普通に見られる. 室内侵入性があるのでハエ症の症例が最も多い. 今回ハエ幼虫と口腔出血, 壊死巣との関係は十分わからなかったが, 厳重な管理下であっても院内でハエ症の発生が見られたことから, 今後飛来昆虫の侵入を防いだり, 患者のケアにおいて露出した体における異物存在の詳細なチェックと早期発見が必要と考えられた. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.56.171_2 |