4 川崎市内の公園および周辺における蚊の調査(第56回日本衛生動物学会東日本支部大会講演要旨)
99年にNY市で報告されたウエストナイル熱は急速に全米へと広がり, 依然増え続けている. 空港が隣接し, 貿易港を有する本市において, 侵入時に備えて蚊の発生源を調査し, 発生動態を把握することは重要である. 今回, 川崎市大師公園内および周辺道路における蚊の発生源を調査し, 蚊幼虫の生息状況を調べたので報告する. 調査は雨水ますの柄杓によるすくい取り方法で行った. 雨水ますは公園内と公園周囲の道路沿いに分け, 公園周囲111ヶ所, 公園内75ヶ所, 計186ヶ所を調査した. 雨水ますのうち水があったのは7~12月でそれぞれ100, 94, 107, 120, 91, 23ヶ所, 幼虫が確認さ...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 2005/06/15, Vol.56(2), pp.158 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 99年にNY市で報告されたウエストナイル熱は急速に全米へと広がり, 依然増え続けている. 空港が隣接し, 貿易港を有する本市において, 侵入時に備えて蚊の発生源を調査し, 発生動態を把握することは重要である. 今回, 川崎市大師公園内および周辺道路における蚊の発生源を調査し, 蚊幼虫の生息状況を調べたので報告する. 調査は雨水ますの柄杓によるすくい取り方法で行った. 雨水ますは公園内と公園周囲の道路沿いに分け, 公園周囲111ヶ所, 公園内75ヶ所, 計186ヶ所を調査した. 雨水ますのうち水があったのは7~12月でそれぞれ100, 94, 107, 120, 91, 23ヶ所, 幼虫が確認されたのはそのうち57(57.0%), 72(76.6%), 80(74.8%), 32(26.7%), 5(5.5%), 5ヶ所(21.7%)であった. 捕獲された幼虫はアカイエカが一番多く, 7月から増加し, 9月のピークを過ぎ, 10月に減少したが, 12月まで発生が確認された. また, 捕獲後の幼虫を飼育したところ, 11月の調査分から無吸血産卵蚊が確認された. 川崎区内にあるビル2件の地下湧水槽を調査したところ, 1件からチカイエカの幼虫が14匹確認されており, このようなビル地下など温度が一定の水域から幼虫が発生し, 野外へ飛散して繁殖していると考えられるため, ウエストナイル熱侵入時に備え, 地下湧水層対策が必要であることがわかった. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.56.158_1 |