粘着トラップ上のベイト食物に対するチャバネゴキブリ,Blattella germanica (Linnaeus)の反応

空腹のゴキブリが食べ物に強く誘引され, 食べ物の成分の中に誘引成分と摂食反応誘発成分が含まれることが知られてからすでに久しい(Tsuji1965, 1966;Tsuji and Ono, 1970a). 食べ物や誘引成分を食毒剤やトラップに利用する研究も新しいことではない(Tsuji and Ono, 1969, 1970a, 1970b;Sugawara et al. , 1975;Rei-erson and Rust, 1977;Reierson et al. , 1979). 飛翔昆虫が灯火を認識して誘引される場合と異なり, ゴキブリは直接的に誘引源を認識するのではなく, 香気に反応して...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2002/12/15, Vol.53(4), pp.213-218
Hauptverfasser: 辻, 英明, 立岩, 一恵
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:空腹のゴキブリが食べ物に強く誘引され, 食べ物の成分の中に誘引成分と摂食反応誘発成分が含まれることが知られてからすでに久しい(Tsuji1965, 1966;Tsuji and Ono, 1970a). 食べ物や誘引成分を食毒剤やトラップに利用する研究も新しいことではない(Tsuji and Ono, 1969, 1970a, 1970b;Sugawara et al. , 1975;Rei-erson and Rust, 1977;Reierson et al. , 1979). 飛翔昆虫が灯火を認識して誘引される場合と異なり, ゴキブリは直接的に誘引源を認識するのではなく, 香気に反応して食物に接近すると考えられるので, 長距離はもちろん短距離の反応でも誘引源に対する定位行動はやや複雑と言える. すなわち, 香気を感じた場合, 直接には香気の流れに定位し, 走行過程で(試行錯誤による)定位の補正を行って最終結果として誘引源に向かって誘引されるとみられる. そのためか, 誘引ベイトには数cm以上の距離からゴキブリを誘引する実験的根拠がない, あるいは, ゴキブリはベイトに意識的に近づくのではなく偶然行き当たるのだという見解や実験結果の解釈もある(Rust and Reierson, 1977, 1981;Reierson1995).
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.53.213_1