エゾシカから検出されたシカシラミバエLipoptena fortisetosaMaa,1965(Diptera:Hippoboscidae)

シラミバエ類は, 双翅目Dipteraシラミバエ科Hip-poboscidaeに属し, 世界で約400種類が知られている. 成虫は外部寄生性でウシ, ウマ, ヒツジ等の産業動物をはじめ野生哺乳類および鳥類にも寄生することが報告されている. シカシラミバエ属(Lipoptena)には約30種が報告され, 世界各地のマメジカ科Tragulidae, シカ科Cervidaeやウシ科Bovidaeに寄生が報告されている(Theodor and Oldroyd, 1964;Maa, 1965). わが国ではL. japonica Bequaert, 1942, L. fortisetosaMaa, 19...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 2000, Vol.51 (3), p.227-230
Hauptverfasser: 福本真一郎, 譽田顕, 新山雅美, 佐々木均, 奥田敏男, 茂木幹義, 高橋健一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:シラミバエ類は, 双翅目Dipteraシラミバエ科Hip-poboscidaeに属し, 世界で約400種類が知られている. 成虫は外部寄生性でウシ, ウマ, ヒツジ等の産業動物をはじめ野生哺乳類および鳥類にも寄生することが報告されている. シカシラミバエ属(Lipoptena)には約30種が報告され, 世界各地のマメジカ科Tragulidae, シカ科Cervidaeやウシ科Bovidaeに寄生が報告されている(Theodor and Oldroyd, 1964;Maa, 1965). わが国ではL. japonica Bequaert, 1942, L. fortisetosaMaa, 1965とL. sikae Mogi, 1975の3種が本州産ニホンカモシカCapricornis crispusとニホンジカCervus nipponから報告されている(Bequaert, 1942;藤崎ら, 1993;Maa, 1965;Mogi, 1975, 1977;大石, 桂;1999;園部, 1979). しかしこれまでに日本国内では本州以外の地域からLipoptena属の報告はない. 1997年秋, 北海道日高郡平取町で捕獲されたエゾシカC. nippon yesoensisの体表からシラミ様の昆虫が検出された. 乳牛への寄生や病原微生物の媒介を心配した関係者によって標本が日高家畜衛生保健所に持ち込まれ, その標本を形態学的に検討したところL. fortisetosaと同定したので報告する.
ISSN:0424-7086