7 セアカゴケグモの後胚発生について
セアカゴケグモ卵の孵化から若グモの出のうまでの通常卵のう内で行われている期間を中心に飼育観察を行った. 雌のセアカゴケゴモを16L8D, 24℃の恒温庫内で飼育し, 卵を産下させた. 卵が孵化する4~5日前に卵のうを取り出し, ペトリシャーレに移した後, 卵のう内を直接検鏡出来るように卵のう膜の上部を切除し, 以後の発育を観察した. 卵は球形で, 直径は平均919±4.9μmであり, 孵化に要する日数は平均14.5日であった. 孵化した幼グモは体長が平均1270±10μmであり, 透明な胚クチクラで覆われ, 4対の歩脚をもつが動き回ることはなく, 食餌行動を示さなかった. 幼グモは孵化後, 平...
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Veröffentlicht in: | Medical Entomology and Zoology 1998/06/15, Vol.49(2), pp.156 |
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Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | セアカゴケグモ卵の孵化から若グモの出のうまでの通常卵のう内で行われている期間を中心に飼育観察を行った. 雌のセアカゴケゴモを16L8D, 24℃の恒温庫内で飼育し, 卵を産下させた. 卵が孵化する4~5日前に卵のうを取り出し, ペトリシャーレに移した後, 卵のう内を直接検鏡出来るように卵のう膜の上部を切除し, 以後の発育を観察した. 卵は球形で, 直径は平均919±4.9μmであり, 孵化に要する日数は平均14.5日であった. 孵化した幼グモは体長が平均1270±10μmであり, 透明な胚クチクラで覆われ, 4対の歩脚をもつが動き回ることはなく, 食餌行動を示さなかった. 幼グモは孵化後, 平均3.75日で第1回目の脱皮を行い2令若グモになった. 2令若グモの体長は平均1274±11μmであり, 脱皮後4~5日すると活発に動き回るようになる. 脱皮直後の2令若グモにはゴケグモ特有の紋様はなく, 腹部背面および腹面の明瞭な紋様が表われるまで平均6.25日を要した. また, 紋様が表われてから共食いが起こるまでの日数は平均10.5日であった. 産卵から孵化, 幼グモ, 脱皮を経た2令若グモが共食いを始めるまでに要した総日数は35日であった. 16L8D, 24℃条件下での卵のう膜を切除しない正常な発育では, 産卵から出のうまで28.5日を要し, 出のう時にはゴケグモ特有の紋様を有していた. また, 出のう後8日で共食いを始めたことから, 今回の卵のう膜切除による発育過程の観察結果は, 正常発育過程を反映していると考えられる. |
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ISSN: | 0424-7086 2185-5609 |
DOI: | 10.7601/mez.49.156_3 |