徳之島産マダニ類の追加資料

鹿児島県奄美群島の徳之島は, 動物地理学上の東洋区に属する亜熱帯の島で, 奄美大島とともに固有種のアマミノクロウサギ Pentalagus furnessi(Stone)が分布するなど, その動物相のユニークなことが知られている. 徳之島のマダニ類については, 鈴木, 昇(1974b)による最初の採集記録, Kitaoka(1977)の概説の中の分布記録および Kitaoka and Suzuki(1981)のタイワンカクマダニ Dermacentor taiwanensis Sugimoto の採集記録があったところへ, われわれが1991年から1994年に同島における紅斑熱患者発生に関連し...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 1997/03/15, Vol.48(1), pp.79-81
Hauptverfasser: 藤田, 博己, 坪井, 義昌
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:鹿児島県奄美群島の徳之島は, 動物地理学上の東洋区に属する亜熱帯の島で, 奄美大島とともに固有種のアマミノクロウサギ Pentalagus furnessi(Stone)が分布するなど, その動物相のユニークなことが知られている. 徳之島のマダニ類については, 鈴木, 昇(1974b)による最初の採集記録, Kitaoka(1977)の概説の中の分布記録および Kitaoka and Suzuki(1981)のタイワンカクマダニ Dermacentor taiwanensis Sugimoto の採集記録があったところへ, われわれが1991年から1994年に同島における紅斑熱患者発生に関連してマダニ相の調査を行った結果, これまでの記録を合計して5属9種が知られることとなった(Fujita et al., 1996). ただ, この調査には1995年の継続分があったので, ここで資料として追加しておきたい. 1995年12月23日から26日に徳之島において, 天城町の天城岳, 松原および三京, 徳之島町の井之川岳の計4ヶ所(Fig.1)における植生上から flagging 法により, また天城町の松原で捕獲されたリュウキュウイノシシ Sus riukiuanus Kuroda 1頭からそれぞれマダニ類を採集した. 得られたマダニ類は, 植生上からのタカサゴキララマダニ Amblyomma tesudinarium Koch, タイワンカクマダニ, タカサゴチマダニ Haemaphysalis formosensis Neumann, トクノシマチマダニ(仮称:高田, 1990)Haemaphysalis sp.T およびアカコッコマダニ Ixodes turdus Nakatsuji の4属5種60個体とイノシシ体上からのタカサゴチマダニとトクノシマチマダニの1属2種3個体, 合計4属5種63個体である(Table 1).
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.48.79