9 1995年度のマダニ刺咬例とボレリア分離状況

今年度は, 例年に比べ刺咬例が多く, 現在(7月末)までに57例を経験した. このうちマダニ標本を確認できたのは38件(シュルツェマダニ:34個体, ヤマトマダニ4個体), 標本の無いものは19件であった. マダニ寄生部位は多岐にわたる. 各症例の月別発生状況は6月が26件(45.6%)で最も多く, 次いで5月の21件である. この状況は, 1980年からの集計数と同様の傾向を示している. マダニ寄生者から直接ボレリア分離のために45例の皮膚を培養した. その結果, マダニ標本の無い群19例中5例(男3, 女2)菌体を確認した. これまで13件のボレリア分離例を報告しているが, いずれも今回と...

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Veröffentlicht in:Medical Entomology and Zoology 1996/06/15, Vol.47(2), pp.189
Hauptverfasser: 宮本, 健司, 中尾, 稔, 佐藤, 雪太, 橋本, 喜夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:今年度は, 例年に比べ刺咬例が多く, 現在(7月末)までに57例を経験した. このうちマダニ標本を確認できたのは38件(シュルツェマダニ:34個体, ヤマトマダニ4個体), 標本の無いものは19件であった. マダニ寄生部位は多岐にわたる. 各症例の月別発生状況は6月が26件(45.6%)で最も多く, 次いで5月の21件である. この状況は, 1980年からの集計数と同様の傾向を示している. マダニ寄生者から直接ボレリア分離のために45例の皮膚を培養した. その結果, マダニ標本の無い群19例中5例(男3, 女2)菌体を確認した. これまで13件のボレリア分離例を報告しているが, いずれも今回と同様受診前に自らダニ標本の除去した例のみであった. このことから寄生したマダニを"つまんで"除去することは, ボレリア伝播に重要な引き金となっていることが推測される.
ISSN:0424-7086
2185-5609
DOI:10.7601/mez.47.189_2