アガロースゲルゲート過渡的等速電気泳動による尿セルフリーDNAの分離

cell-free DNA(cfDNA)は,血漿や尿などの複雑組成の体液に含まれるDNAであり,リキッドバイオプシーの主要な興味の対象である.しかし,特に検査において検出対象となるcfDNAは断片化が著しいことが多く,現在のDNA抽出法の主流である固相抽出法では特に短鎖のDNAの収率が低いことが問題であった.そこで,我々は,アガロースゲルで泳動路を区画可能なオープン流体電気泳動デバイスを開発し,ひとつの泳動路に異種のゲルの区画を簡便に混在させられるようにした.各電解液の区画間の拡散を抑止することで,短時間の除タンパク処理後の血漿から結核菌由来の100~200 bp範囲のDNA断片を過渡的等速電...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:電気泳動 2023, Vol.67(1), pp.29-32
Hauptverfasser: 深澤, 悠仁, 相馬, 渉, 松本, 昂大, 二井, 信行
Format: Artikel
Sprache:jpn
Schlagworte:
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:cell-free DNA(cfDNA)は,血漿や尿などの複雑組成の体液に含まれるDNAであり,リキッドバイオプシーの主要な興味の対象である.しかし,特に検査において検出対象となるcfDNAは断片化が著しいことが多く,現在のDNA抽出法の主流である固相抽出法では特に短鎖のDNAの収率が低いことが問題であった.そこで,我々は,アガロースゲルで泳動路を区画可能なオープン流体電気泳動デバイスを開発し,ひとつの泳動路に異種のゲルの区画を簡便に混在させられるようにした.各電解液の区画間の拡散を抑止することで,短時間の除タンパク処理後の血漿から結核菌由来の100~200 bp範囲のDNA断片を過渡的等速電気泳動(tITP)で確実に分離できることを示した.さらに,陰イオン交換基修飾ビーズによる簡便な予備吸着処理を加えることで,10 ml程度の尿から45 bpの短鎖DNAを選択的に分離し,PCRによる検出感度の向上に寄与した.
ISSN:2189-2628
2189-2636
DOI:10.2198/electroph.67.29