ポリアクリルアミドゲル電気泳動を用いた高分解能プロテオーム分画法の開発とトップダウンプロテオミクスへの応用
「はじめに」SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE) は, 幅広い分子量のタンパク質を簡易な操作で, 再現良く分離するための優れた実験技法である. 生化学・分子生物学研究では, 生体サンプルから抽出した複雑なタンパク質成分を分離するために広く使用されている. またプロテオミクス研究では, 質量分析を用いる大規模なプロテオーム解析において, SDS-PAGEによるサンプルの前分画処理が検出可能なタンパク質数を大きく向上させることが知られている. SDS-PAGE分離したタンパク質を質量分析で解析するには, ゲル内で酵素消化をおこない, 消化ペプチドの状態でゲルから回収するアプ...
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Veröffentlicht in: | 電気泳動 2022, Vol.66(1), pp.53-57 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動 (SDS-PAGE) は, 幅広い分子量のタンパク質を簡易な操作で, 再現良く分離するための優れた実験技法である. 生化学・分子生物学研究では, 生体サンプルから抽出した複雑なタンパク質成分を分離するために広く使用されている. またプロテオミクス研究では, 質量分析を用いる大規模なプロテオーム解析において, SDS-PAGEによるサンプルの前分画処理が検出可能なタンパク質数を大きく向上させることが知られている. SDS-PAGE分離したタンパク質を質量分析で解析するには, ゲル内で酵素消化をおこない, 消化ペプチドの状態でゲルから回収するアプローチが採用されている. 消化ペプチドからタンパク質を解析する手法はボトムアップ質量分析と呼ばれ, 感度の良いタンパク質同定や定量解析を可能にしているが, 多くのタンパク質では全ての消化ペプチドを検出できず, 解読不能な配列領域が生じるという問題がある. |
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ISSN: | 2189-2628 2189-2636 |
DOI: | 10.2198/electroph.66.53 |