マルチPK抗体を用いたプロテインキナーゼ研究の新展開

プロテインキナーゼ(PK)の発現と活性はリン酸化シグナルの制御を介して様々な生命現象を制御している.これらの異常は癌をはじめとする多くの疾病の発症に関与することが知られている.そのため,細胞内PKを解析することは疾病の理解において重要な意味を持つ.これまでに,PKの発現と活性を解析するための多くの手法が開発されたが,細胞内PKの発現と活性をまとめて解析する手法は確立されていなかった.そこで我々は,PKを幅広く検出できるモノクローナル抗体であるマルチPK抗体を作製した.マルチPK抗体は,細胞内PKのプロファイリング,PKの同定,PKの発現とリン酸化状態の解析に利用可能である.加えて,2型糖尿病の...

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Veröffentlicht in:電気泳動 2018, Vol.62(1), pp.5-8
Hauptverfasser: 杉山, 康憲, 上里, 裕樹, 亀下, 勇
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:プロテインキナーゼ(PK)の発現と活性はリン酸化シグナルの制御を介して様々な生命現象を制御している.これらの異常は癌をはじめとする多くの疾病の発症に関与することが知られている.そのため,細胞内PKを解析することは疾病の理解において重要な意味を持つ.これまでに,PKの発現と活性を解析するための多くの手法が開発されたが,細胞内PKの発現と活性をまとめて解析する手法は確立されていなかった.そこで我々は,PKを幅広く検出できるモノクローナル抗体であるマルチPK抗体を作製した.マルチPK抗体は,細胞内PKのプロファイリング,PKの同定,PKの発現とリン酸化状態の解析に利用可能である.加えて,2型糖尿病の糖毒性,潰瘍性大腸炎,エピジェネティクスに関わるPKの解析が行われてきた.本稿では,細胞内PKの発現と活性をまとめてプロファイルするため,最近我々が開発したマルチPK抗体とPhos-tag二次元電気泳動を組み合わせた新手法について紹介する.
ISSN:2189-2628
2189-2636
DOI:10.2198/electroph.62.5