マルチPK抗体を利用したプロテインキナーゼ研究
様々な細胞内イベントはプロテインキナーゼを介したタンパク質リン酸化によって制御されている.これらプロテインキナーゼは多くの疾病の発症に関与することが知られている.これまでにヒトゲノムから518種類のプロテインキナーゼが同定されているが,様々な状況下において,どのキナーゼがどのくらい発現・活性化しているかについては不明な点が多く残されている.このような背景の中,我々は様々な生物種の多様なプロテインキナーゼを認識するモノクローナル抗体としてマルチPK抗体を作製した.マルチPK抗体にはセリン・スレオニンキナーゼを認識するM1C,M8C抗体と,チロシンキナーゼに対するYK34抗体が存在する.これまでに...
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Veröffentlicht in: | 電気泳動 2017, Vol.61(1), pp.29-33 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 様々な細胞内イベントはプロテインキナーゼを介したタンパク質リン酸化によって制御されている.これらプロテインキナーゼは多くの疾病の発症に関与することが知られている.これまでにヒトゲノムから518種類のプロテインキナーゼが同定されているが,様々な状況下において,どのキナーゼがどのくらい発現・活性化しているかについては不明な点が多く残されている.このような背景の中,我々は様々な生物種の多様なプロテインキナーゼを認識するモノクローナル抗体としてマルチPK抗体を作製した.マルチPK抗体にはセリン・スレオニンキナーゼを認識するM1C,M8C抗体と,チロシンキナーゼに対するYK34抗体が存在する.これまでに,これらマルチPK抗体を用いた新規解析手法として,プロテインキナーゼの発現プロファイル法,二次元電気泳動法と臭化シアン分解法を組み合わせたプロテインキナーゼ同定法,細胞内プロテインキナーゼのリン酸化状態解析手法,が開発されている.加えて,マルチPK抗体を用いた研究例として,エピジェネティクス,2型糖尿病の糖毒性,潰瘍性大腸炎の発症に関わるプロテインキナーゼの同定と解析が行われている.本稿では,キノミクス(包括的キナーゼ研究)における強力なツールであるマルチPK抗体を用いた最近の技術に焦点を当てて紹介する. |
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ISSN: | 2189-2628 2189-2636 |
DOI: | 10.2198/electroph.61.29 |